2020年9月27日日曜日

アメリカの天気予報

アウトドア活動をしていると、天気の情報は重要になる。自分一人で気儘に行く時は出かける前に空を見て出れば良いが、グループ活動をする時は皆の予定を合わせた計画を事前に立てなければならない。

しかし、アメリカの天気予報は当たらない。こんな単純な地形だから簡単だろうと思うが、当たらない

そんな中でも、気象情報を適切に入手して、自分なりに情報を整理すれば、より高確度に計画の判断ができるようになる。

Head water of Mississippi(Lake Itasca)

こんな記事を書きたくなる時雨れた週末。

 


情報源

いろいろな天気予報アプリがある。しかし、大元の情報源はアメリカの場合NOAA(日本の気象庁のようなもの)。ここが全地球シミュレーションを元に各種の気象予報データ、気象予報を発行している。しかし、ウェブサイトが非常にわかりにくい。

National Forecast Chart

いわゆる天気図。アメリカでは気圧や等圧線はほとんど表示されない。その代わり、雨・雷のエリア、上空の気圧の谷の情報が表示されていることが日本と異なる。3日先までの予測天気図が表示されているが、外挿することで5日先ぐらいまでは推測可能だ。

7-day forecast

7日先までの局地的な天気予報。見難くて使いにくいが、ウェブページのリンクをスマホのホーム画面にアイコン貼り付けしておくと参照しやすい。

https://earth.nullschool.net/jp/

全地球シミュレーションの結果を美しいグラフィックスで表示してくれる。とくに高層(500hPaなど)の流れや大気中水分量の情報がわかりやすい。 

リベラル派の友人によれば、気象アプリは、NOAAの情報の焼き直しであり、ユーザの個人情報を収集するだけのEvilなビジネスだ、とのこと。わかりやすく表示しれくれるのはありがたいが、精度は悪いし、個人情報は抜かれるし、でイマイチ信用がおけない。個人的な感想を述べる。

weawow

アプリ・ウェブサイトがある。写真が美しいこと、表示される情報がわかりやすいこと。情報源は選択できるが、これまでの実績では、デフォルトで選択されているWhatherbltの情報がわりとよく当たること、などから今は一番メインで使っている。確度はともかく、雨雲レーダーの未来予想動画が1週間先まで見れるのはありがたい。メインのビジネスが写真販売でユーザデータの販売ではない、としていることも好印象。

weatherbug

アプリを使っているが、表示が見やすく予報も比較的当たる。近くで雷が鳴るとアラートが表示される。メインのビジネスはロケーションをもとにした広告。

AccuWeather

名前から精度が良さそうで、表示される情報も細かいので信頼できそうだが、過去の経験から言えばあまり当たらない(個人的な感想)。

日本の場合は、予報業務許可制度があるので、独自の予報を公表する場合には業許可が必要。海外の業者が取得している場合は少ないと思われる。しかし、気象庁の予報を紹介する場合は業許可は不要。

アメリカの公的機関のサイトがわかりにくかったり、行政システムがわかりにくいのはよくあることだ。それを民間のアプリが補ったり、税理士・弁護士のメシノタネになったりしている。本家が改善すると民業圧迫になるので改善されない、というウワサが。確かに民業が無い分野(DNRとか)はわかりやすい。

 

知識

中学・高校レベルの地学の知識として、高気圧は晴れ、低気圧は雨。寒冷前線、温暖前線、ぐらいは知っているだろう。

そこから、さらに興味を持ったときは、次の2冊の啓蒙書がおすすめできる。


風はなぜ吹くのか、どこからやってくるのか

詳細は別サイトの書評に書いた。本書のタイトルにある「風はなぜ吹くのか、どこからやってくるのか」というフレーズは、天気というものが、「明日のセント・ポールは晴れ」というようなローカル・スポット的な天気予報ではなく、地球の大気の流れの中で引き起こされる時間的・空間的にグローバルなものだ、というように認識できるキーワードだ。


雲の中では何が起こっているのか

気象の中でも、とくに雲・雨・災害に関する説明が丁寧。観天望気と組み合わせたローカルな気象予測(例えば、この雲や風であれば今日の午後は大丈夫)に役に立つことが多く書かれている。 

そこからさらに。

一般気象学

書名に「一般」と入っているが一般人向けでは無く「逸般人」向けである。大学教養課程の教科書として書かれている。ブルーバックスなどの啓蒙書でわかりやすく書かれていたことの理論的背景や、そこで省略されていたことがらが、納得がいくように書かれている。気象予報士の人が高層天気図などを見てどう考えるのか、などがわかるようになってくる。

例えば「気圧の谷が近づいてくるので天気が崩れやすくなります」とは良く聞くフレーズだ。しかし、気圧の谷とは何で、なぜ天気が崩れるのか、ということを理解したければ本書を読むと良いだろう。

 

大気光学現象

そんなこんなで空を見上げることは好き。そんな中で見れると嬉しくなる珍しい現象がいくつかある。

代表的には虹。それ以外に薄明光線ビーナスベルト(地球影)なども、よく見られて美しい。

 


すこし珍しくなって、環水平アークや日暈などが見れるととても嬉しくなる。 

雲や太陽の位置から可能性がありそうな時は、こまめに空を見上げると、発見できる確率が高くなるだろう。



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