2024年5月15日水曜日

Backpack Camp(Bonfus Framus58, Hightail designs Fanny Pack v1.5, Bear Canister, Nature Hike Cloud up 1P tent)

ミネソタの州立公園には多くのキャンプ場が提供されている。

普通のDrive-Inのキャンプ場(キャンプサイト内に車を駐める)だけでなく、Drive-In-Electric(電源あり、RVなどで使う)といった高規格のもの、Cart-In(駐車場からカートで荷物を運んでいく)、Boat-In(川からカヌーなどで行く)、馬をつなげるようになっているキャンプサイトもあるし、冬はクロスカントリースキーとソリでアクセスするサイトもある。歩いてしかいけないサイトもあるし、とくに1/2mile以上のハイキングを含むものはバックパックキャンプの練習として最適だ。

ミネソタの5月上旬はまだまだ寒いが、練習や機材テストも兼ねて Maplewood state parkでバックパックキャンプに行ってきた。

 


グランドシート、左からペグ、ポール、インナー+フライ、雨具、マット、寝袋カバー、ダウン上下、枕


 

 

Maplewood state park

ミネソタ北西部にある州立公園。広葉樹林帯とプレーリー(草原)の境界に位置する。わりと広い公園で、オートキャンプサイトだけでなく、馬用のトレイルやキャンプ場、バックパックキャンプ場もある。Maplewoodとあるが、クヌギと半々ぐらいな感じ。5月上旬の新芽が美しい季節。北の方に公園入り口、南の方にバックパックキャンプがある。南側にも駐車場があるが、今回は練習のため、北の駐車場から歩いてみた。

パックの中身は下記。出発時の総重量は15kg弱。バックパックの許容荷重が40lbs(18kg)なので、想定の範囲内だが重い。今回はパソコンや追加のクッカーやビールが入っているが、それを外して追加の食糧になるので重さとしては同程度になる見込み。しっかり腰ベルトをすると、リフターやフレームの効果もあり、肩の負担は軽減され、上りでも重さを感じるが普通に歩ける。

食事はいろいろなことを試してみた。食事メニューは下記。調理に使ったクッカー(例えば飯を炊いてカレー)は濯ぎ食(味噌汁)と組み合わせることで清掃が簡略化できる。やはり、湯沸かしだけでなくフライパンがあったほうが調理の幅が広がる。しかしその分調理時間と食材も増える。

食材(4食分)、ベアキャニスター、クッカー

昼食。浸水白米をクッカーのフタで炊く。クッカー本体でレトルトカレー。そのお湯で味噌汁を作り、器をすすぐ

夕食。アメリカのドライフード(RePackの中)、ビール、ウィスキー、柿の種、じゃがりこ(お湯を入れてポテサラにする)

朝食。レディパスタ+パスタの素、スパムと野菜とソーセージをプッチンケースに入ったオリーブオイルとクッカーのフタで焼く。スープでクッカーをすすぎ、最後に紙パックのドリップコーヒー

昼食。ZipLock+アストロフォイルの器でカップラーメンの中身+乾燥野菜

 
4食でこれぐらいのゴミが出る

FireMapleのクッカー、湯沸かしには非常に便利なのだが一人用の少量メモリが必要だ。DIYで書き込んでおこう。





Bonfus Framus 58

前回は普通の旅行に使っただけなので、今回が実質初使用。

  • 容量: メイン50L+外付け8L
  • 重量: 756g
  • 素材: Ultra200X

メイン素材は Ultra200X、再生材を多く含んだ超高分子ポリエチレン(WHMW-PE)に防水コーティングと、X-Pacのようなリップストップを仕込んだ生地。DCFと似ているが、より耐久性が高いとのこと。全てシームテープ処理済みで完全防水。ロールトップ+背面メッシュポケット+サイドポケットという定番のULザックの構成。メインが50L+サブ収納で合計58Lというスペック。この手のザックは容量違いが存在するが、容量が大きいものは上の丸める部分が大きくなっているだけなので、小のほうが若干軽いが、大は小を兼ねるという感じ。推奨容量は40lbs(18kg)。2本の取り外し可能なフレーム、腰ベルト、ロードリフターである程度の重量も担げる設計。GGGで実際に中身を入れてフィッティングをしてみた。実店舗はやはり素晴らしい。自分の場合は低身長だが胴長なのでMとLの中間ぐらい。Lのほうがショルダーストラップにゆとりがあって、カメラなどをぶら下げやすそうだったのでLを選定。

外付け装備は必要最小限で、コードやテープなどがイチイチ細身にできているのがULっぽくて良い。ウェストベルトに荷重分散するタイプなので、ウェストベルトは取り外せない。ウェストベルトにはポケットは付いていない。ウェストベルトポケットに貴重品などを入れると、ザックを下ろした時にぶらぶらして気になるので、貴重品と行動食のファニーパックを使うようにしている。なのでウェストポケットがないのは、かえって好都合。

入り口はロールトップ+スナップ。HMGだとマジックテープになっていてフリースとくっつくので、スナップが好み。それがHMGを選ばなかった大きな理由。ただし、なぜか、左右のバックルで結合できない。左右のバックルは下側に止める形でしか使えない。これは非常に良くない。しょうがないので、マグネットを取り付けている。トップストラップはY字型なのでホールド力は高い。

サイドポケットの容量・設計は適切。ポールを挿しても落ちず、ボトルを挿しても取り出しやすい。サイドコードもついているが細いし伸縮性も無いので、使い道が少ない。

肩ストラップは薄くて幅広だが、Peak Designのキャプチャー金具がギリギリ取り付け可能。チェストストラップもついているが縫い付けではくループどめ。紛失リスクがある。ここも、笛付きなど、もうすこしちゃんと作ってほしかった。肩ストラップにはベルトループがついているのでドリンクホルダーを外付け可能。

背面には細い紐でアックスホルダーがあるが、バンジーコードや外付けアンカーは不足気味。工夫が必要。

  • Ultraの生地、完全防水 50+8L、基本性能は問題ない。
  • アルミフレーム、ロードリフタ、腰ベルトで腰荷重で最大18kgを背負う設計。
  • 部品類がイチイチ細めでかるそうで良い。ただし、バックルが曲がって刺さってしまうこともあり、注意が必要。
  • トップベルトがマジックテープではなくスナップ留めなのは良い。
  • トップバックルが閉まらない。バックルは下に留めるだけ。すこしの工夫でなんとかなるはずなので、こういうところを手を抜かないで欲しい(特許?)。
  • 外付けは可能だが拡張性はそれほど高くない。たとえばボトムループが無いなど。

 


肩ベルトにボトルホルダー

Peak Design Capture。ギリギリ。チェストスタップはループを引っ掛ける形でチャチい

外側はX-Pac的、内側はラミネート+シームテープ。入口はスナップ

入口のバックルが左右で嵌合しない(不満)。100均のマグネットをつけてある

サイド。ドローコードが細い

背面。パッド+アルミフレーム。腰ベルトは取り外し不可

ロードリフターもついている。上部はY字ストラップ。ベルトの幅が細い

 

 

持ち物とパッキング

練習なので、この季節のミネソタを想定した装備ではなく、9月上旬のTRT(平均で最低が38F(=3℃)、最高が78F(=25℃))を想定した装備。
  • ザック Bonfus Framus 58
  • SOL Escape Bivvy。寝袋のブースト用。以下の就寝グッズをまとめて圧縮するのにも使う。
    • 寝袋 Nature Hike 5℃対応
    • ダウンパンツ、ダウンジャケット(今回は使わない)
    • Sleeping Mat。中華インフレータータイプ+ポンプサック
    • 枕 SeaToSummit
  • テント Naturehike Cloud-up 1P
    • インナーとフライは付属の防水バッグに。
    • グランドシートはザックの上の方に。
    • ペグ、ポールはサイドポケットに。
  • ベアキャニスター BV450 今回は必要ないが練習で
    • 昼食: 米、カレー、味噌汁
    • 夕食: アメリカドライフード(2食分だったので半量)、スパム、じゃがりこ、柿の種、ビール、ウィスキー(100mLのボトルに詰める)
    • 朝食: ソーセージ、野菜、常温パスタ、パスタの素、スープ
    • 昼食: ラーメン(カップから出してZipLockスクリューロックに入れる)、ドライ野菜 
    • Hyperlite Repack Food cozee
      • モンベルの箸+スプーンヘッド+フォークヘッド
      • モンベルの折りたたみスプーン&箸
  • クッカー。今回は飯炊き、焼き物したいので、Optimus Cruxも持っていく
    • Optimus Crux
      • Maplefile
        • 110缶
        • SOTO Windmaster + 3本ゴトク
        • Wildo Fold a Cup
  • プラティパス 1L
  • 浄水器 Sawyer mini
  • サイドポケット
    • 水筒 Lifewaterのペットボトル×2。1本は右胸のホルダーに。
    • ストック(安いアルミ4本継)
    • 傘 Montbell トラベルサンブロックアンブレラ50 晴雨兼用
  • 背面のメッシュポケット
    • 座布団
    • 手拭い
    • ソーラーランタン
    • 雨具 Montbell ストームクルーザー
    • サングラス
    • 衛生用品(ZipLock)
      • ペーパータオル
      • 虫除け
      • 日焼け止め
      • リップクリーム
      • トイレットペーパー
      • 防虫ネット
      • ウェットティッシュ
      • レジ袋
      • 圧縮タオル
    • サンダル
    • ゴミ袋
  • ファニーパック High Tail Design V1.5
    • 小物入れ
      • 電池
      • 充電コード
      • ライター
      • ヘッドライト MS-G4
      • ランタン Goalzero Lighthouse
      • ナイフ
      • リペアキット
    • エマージェンシーキット
    • 鍵、財布、携帯(個人、会社)
  • カメラ。本番でも持っていきたいし、星も撮りたい。レンズは15-85一本で、感度と露出時間でなんとかする。
    • EOS 70D
    • レンズ 15-85+C-PLフィルタ、ソフトンフィルタ
    • ミニ三脚(アルカスイス対応、ボールジョイント)
    • Peak Design Capture v3
  • パソコン(今回のみ)

服装

  • Tシャツ
  • 長袖フーディ
  • モンベル ODパンツ
  • 靴下
  • 帽子
  • ハイキング靴


High Tail designs Fanny Pack

リュックのベルトについているポケットは好きではないので、その代わりに使っている。防水のダイニーマ素材。ジッパーも防水。すこし大きめのV1.5。内側に、キーループを自作で加工してつけている。鍵などを入れておくのに落下防止。

ジッパータグに温度計、磁石、虫眼鏡。気温をチェックしたりするのは装備の検討や振り返りに役にたつ。

アウトドア用途だけでなく、ドライブ時に小物を入れておいたり、飛行機に乗る時に小物を入れておいたり(スマホとか充電器とか文庫本とか)、活用場面は多い。

また、リュックや肩掛け方のサコッシュと違って、ファニーパックは遊園地のジェットコースターに乗る時などでもロッカーに預けなくて良いので便利だ。 


内側にキーループを加工


Bear Canister

ミネソタでは、食料は木からロープで吊るしておく方法も許可されているが、カリフォルニアエリアでは、食料はベア・キャニスターに入れて置かなければならない。BV450という3-4日用のものを購入。かなり大きい。食料だけでなく、ゴミなどの匂いがするものはここに入れておく。

フタがスクリューロックで、ストッパーがついている。締めるときはすんなりと閉まるが、開けるときはストッパを指で押して開けなければならない。ストッパーの部分だけフタが薄くなって押せるようになっているのだが、非常に固い。クマが開けられないだけでなく、わたしも開けるのに苦労してしまう。

フタにストッパーがあり、肉厚が薄くなっている

ストッパーはこのように噛み合う


 

 


Nature Hike Cloud Up 1P tent

みんな大好き?Nature Hike。品質とコストのバランスが良いと思う。これまで、Amazonで買った、謎中華の激安2Pテントを使っていたのだが、バックパッキング用に1Pテントを購入。3シーズン用とのことだが、張り方によっては地面との隙間が開き、暖冬だったので冬に使ったら吹雪で寒かった(0℃)。

  • ポリエステルとシルナイロンがあるが、シルナイロンの方が若干軽量で高い。
  • 色は選べるが、今回は朝方の遮光性を重視してネイビーにしてみた。ミネソタの夏は朝が早いのでゆっくり寝れないのだ。寒い時は熱を吸収したい。
  • 1Pでも寝袋+ザックは十分に入る。短辺に入口があるが、最低限の前室がある。そんなに高さは無いが広さがある感じ。
  • 内部には収納ポケットが一つ。吊り下げ関係が不足していたのでDIYした。高さも競合に比べると若干低い。この安さなら許せる。
  • フライ+インナー+グランドシート+ポール+ペグ。半自立色というか、ポールはY型、ポールだけでも立つが安定しないし、足元のスペースが狭い感じ。9本のペグで設計通りに立ち、追加の3本のガイライン+ペグで耐風防御。グランドシート、ポールが別収納になっているので、コンパクトに収納できるのが魅力。全部が収納できるケースが付属するが、フライ+インナーがダイソーの3Lウォータープルーフに詰め込める。グランドシート、ペグ、ポールは別収納。地面の具合がよければグランドシートは省略可能。
     


 


バックパックキャンプに興味をもったきっかけ

従来よりYouTubeなのでアメリカのロングトレイル(PCTやJMT)の存在は知っていたし、それを歩いている動画や人などもみていた。しかし、スルーハイクは長い時間がかかるので、どこか別世界の人のことだと思っていた。

去年、ノースカスケード国立公園に行った時、ハイキングルートを登り詰めた先にキャンプサイトがあり、そこまでキャンプ道具を担いで歩いている人がいた。日帰りでは時間の制約が厳しいルートだったので、キャンプが有効だ。ロングトレイルに挑戦するだけではなく、日常のハイキングの延長にバックパックキャンプがあることを実感した。

また、休憩場で休んでいるとレンジャーの人(女性だった)がやってきて、HMGのリュックから、タイベックシートをサッと取り出して座り、ウィンドブレーカーをパッと羽織って、Lifewaterの水筒とSawyerの浄水器で水を飲みながらバーを齧っていた。ULも軽さマニア的なものではなく、このように仕事で何日も山に入るプロの人の日常の道具になっていて、その合理性がカッコよく見えた。

そういった経験から、自分にもできるのでは、自分もやってみたい、と思ったのがきっかけ。

 

 



2 件のコメント:

  1. 日本国内でもUltra200を使ったザックがぼちぼち出始めてますが、円安の影響なのか、値段が凄いことになってます。

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    1. 円安、あらゆる生活に影響が出ていますね。モンベルのコスパが偉大。駐在員の給料は日本の給料ベースなのでドル高が大変です。

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