2024年4月12日金曜日

皆既日食2024

2024年4月8日はアメリカで皆既日食が見られる。

観測し易いものとして、前回は2017年8月22日。アメリカで見られた。2035年9月2日には日本で見ることができる。それ以外にも、日食はけっこう発生しているが、見ることができる地域が限られているので、観測し易い場所で見ることができるのは、かなりまれだ。

皆既日食を見られる場所まで移動して、しっかりと楽しむことにした。妻も興味を示し、日本から見に来る。

 


EOS-70D(APS-C)+Tamron 300mm 3840x2160等倍切り出し

 写真はクリックすると大きくなります。

 

 

計画編

2023年1月、私が一時帰国した時に妻が日食を見たいということで計画を具体化。

皆既帯はダラスからインディアナポリスまでを通っていく。気候的には南部のテキサス、なかでもメキシコ山岳地帯に近い方がが晴天率が高い。メキシコのほうがより条件は良さそうだが天候以外のリスクが高い。行き先はテキサス州・ダラス。ついでにヒューストンでNASA関係の観光を絡める。

 

この時点で、4/7のホテルは、皆既帯ではほぼ満室 or 高騰。それ以外は十分に予約可能。

まずは、日程の計画。余裕を持って金曜日のフライト。土曜日は時差ボケ調整、日曜日にテキサス移動、月曜日は日食観望。ヒューストンに移動してロケット関係。あとはブラブラして、金曜日にフライト土曜日に日本着。日曜日は家事。

国際線の予約、休暇の調整。その次に、4/7のホテルの予約。$600ぐらいしたが、なんとか皆既帯のホテルを予約できた。通常はこのグレードのホテルだと$130ぐらい。国内線とレンタカーの予約。まだまだ余裕がある感じだが国内線は12月に下調べした時よりも明らかに値上がりしていた。それ以外は急がなくても大丈夫。以下のブログが詳細な検討過程を後悔していて、大変参考になった。


皆既帯のホテルが予約できたのだが、別のプランとして、皆既外のホテルに安く宿泊して、ステートパークで見る、という案がある。基本的にステートパークは、その日に行って入場料を払えば入れるのだが、テキサスのステートパークにはデイ・パス、というシステムがある。デイ・パスを事前購入していると入場保証があるのだ。そうでない場合は満車だと入れないことがある。日食の日は当然、デイ・パスの事前購入が必須。テキサスのステートパークは1ヶ月前から予約可能。事前にアカウントを作成して申し込み可能時間を調査し、3/7の00:01に予約完了($5)。ちなみに一日のデイパスのリミットは300台。予約しようとしたが、瞬殺で売り切れてしまった。


 

機材

一眼レフ(EOS-70D)

三脚に乗せて、タムロン70-300を付けて太陽の形を撮る。追尾は手動。部分日食時のために減光フィルター。皆既時にはフィルターを取り外す。取り外したときのピントシフトを防ぐために、ねじ込み式ではなくフィルム式のフィルタを選択。10^-5のフィルタが売っているので、それを買ってきて加工。ちょうどガムテープの芯がレンズの先端にピッタリ嵌まるので、そこに貼り付ける。

アストロアーツのページが詳しい。

フィルターだけでなく、露出や撮影方法についても、非常に参考になる。皆既日食の時間は限られているので事前練習しておくほうが望ましい。

スマホ

ミニ三脚に乗せて、タイムラプスで経過を撮影。ボール紙で枠を作って、減光フィルタを被せる。 できれば、切り出し+合成で写真も作りたいな。

双眼鏡

8x32のちゃんとしたやつ。倍率的には300mmのカメラ・レンズと似たようなもの。対物レンズ先端に減光フィルタをセットできるようにする。

眼視用フィルタ

5個セットで安価に売っていた、眼視用フィルタ


荷物

  • Bonfus Framus 55L 冬のセールで購入して今回が初使用。機内持ち込みするのでフレームを抜いて、ロールトップ部を最大限丸められるようにしておく。
  • 着替え。SeaToSummitのスタッフバッグに。汚れ物はHyperlightのスタッフバッグピローに。Exped Splash15は行動用のサブザックとして。
  • カメラ EOS-70D、15-85, Tamron 70-300、双眼鏡 30x8SP、太陽観測用の双眼鏡、三脚、スマホ用三脚。
  • 眼視用の日食フィルタ、カメラ用のフィルタ、スマホ用のフィルタ。
  • サングラス、日傘、手ぬぐい
  • 座布団、ブルーシート、
  • 自分のパソコン、会社のパソコン、エレキ小物、Hightail designのファニーパック

服装は、Tシャツ、モンベルの長ズボン、夏用フーディ、ミネソタ用にソフトシェル、靴はAltraのトレランシューズ。

忘れ物:ホテルの室内用スリッパ、割り箸。前回の旅行で必要性に気づいたのだが、今回も忘れてしまった。


 


 

4/7(Sun) MSP→DFW

フライトもレンタカー受取りもスムーズ。今回はAlamoだったのだが、事前登録でカウンターに行かずに駐車場に。そのへんに停めてある車をピックアップしてスタート。Alamoの看板があるわけではなく、車はレンタカー各社でシェアしているようだ。

宿泊地であるGeogetownは、ほぼ曇り予報が確定しているため、それより北の街をロケハンしながらドライブで向かう。


メキシコ湾・大西洋からの湿った空気で皆既日食帯に沿った形で雲が出ている。

場所はなんとかなりそうだが、問題は雲。Windy.comの有料アカウント($30)に課金、各種モデルを比べながら直前まで観望地の選定に苦戦、

事前に予約してあったGeogetown泊。


4/8(Mon) 日食観望

0600チェックアウト。北のLampasasに向かう。市が野球場に簡易トイレなどを設置していて、過ごしやすい。ただ、天気予報的には、より北のLometaかGoldthwaiteが良さそう。0700Lampsasの野球場到着。その時の天気は曇り。買っておいたパンを食べながらWindy.comの情報更新を待つ。1000時点では、現地の天候は曇り。いくつかの天気予報ではLampasasよりも北に40分ほど移動したGoldthwaiteのほうが天気が良さそう。移動。渋滞を懸念していたが往路はスムーズだった。 

 


Goldthwaithは良く晴れていて、人々が市庁舎の周りに椅子などを並べていて盛り上がっている。周囲の駐車場になんとか停めることができた。


芝生に撮影装備を展開して、本番に備える。1218第一接触(部分日食の開始)、1315第二接触(皆既日食の開始)、皆既日食の継続は3m30s。ほとんど良く晴れていたが、第二接触の直前から高層に雲がかかりだし、皆既中は薄雲を通しての観望となった。しかし、ダイヤモンドリング、プロミネンス、コロナなどははっきりと見ることができた。

部分日食。黒点がある。太陽活動の活発さを示している


スマホで撮影。暗いので粒子が粗い

ダイヤモンドリングとプロミネンス。太陽活動が活発な時期で、大きなプロミネンスが見える

コロナを強調して


部分日食が欠けてくるのにあわせて気温が下がり、皆既中は別世界のような感じが、やはり映像では伝わらない、現地ならではのものだと思う。

一眼レフでは300mmにフィルタをつけて5分ごとのインターバル撮影。皆既直前にフィルタを外して連射。スマホは皆既5分前ぐらいからタイムラプスで広域を撮影。皆既中の雰囲気が伝われれば嬉しい。ちょうど皆既中に薄雲がかかってしまって残念だが、雲をとおして見ることができた。また、右に金星、左に木星が見える。

 

第三接触(皆既日食の終了)後すぐに曇ってきたので、早々に撤退。ヒューストンまで移動。途中、渋滞もあり、6時間のドライブとなった。


4/9(Tue) ヒューストン・宇宙センター

朝食後、海岸散歩。

浜辺にはカツオノエボシが打ち上げられていた

 

せっかくテキサスに来たので、日食だけではなく観光をということで、ジョンソン宇宙センター内のスペース・センター・ヒューストンに。アポロ計画とSaturn Vロケットの展示がメイン。過去の栄光のアポロ計画と、今後のアルテミス計画をPRしていた。月の石も触れるので、1970年の万博で見れなかった人は良い機会だと思う。





4/10(Wed) Huston -> Dallas

朝のうち、Huston Zooに行ってみる。すこし寄ってみるだけのつもりが、面白かったのでずいぶんと長居してしまった。

 







その後、Dallasへドライブ。途中でワイナリーに寄って休憩。

Dallasは、とりあえずJFK狙撃関係のモニュメントなどを見て夕食。       


4/11(Thu) DFW-MSP

朝のうちにダラスのダウンタウンを散歩。


ロナルドカークブリッジ

あちこちにいた、この鳥はオナガムクドリモドキ(Great-tailed Grackle)。飛行機の垂直尾翼みたいな細身の黒色の鳥。緊急地震速報のような声で鳴く。


1300ぐらいのフライトなので早めに空港に移動。しかし、ターミナルをまたぐフライトの変更→乗ったあとに機材トラブルで2hぐらい缶詰→いったん降りて乗り直し。出発したのは結局1930ぐらい。ミネソタに帰ってきたら2100を過ぎていて、ほとんどの店は閉まっている。空いているスーパーで食材を買ってきて、自宅で食事。

 


 

 

 


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