ミネソタで6年、いつのまにかクッカーが増えてしまった。最初は知識がなかったり、しだいに趣味趣向が変わってきたり。用途に応じて使い分けることもあるし、今では使わなくなってしまったものもある。
比較して整理してみる。これから買う人の参考になれば、この散財も報われるだろう。
いろいろ書いたが、一番下の、Firemaple + Windmaster + Fold a cupのセットが、湯沸かし用として汎用性や耐候性があり、スタッキングの具合がよく、マルチデイのハイキングにピッタリということ。
大きさ比較。Optimus Crux、Jetboil Flash、Firemaple、Ti Pot500+Windmaster |
Jetboil Flash
ミネソタに来て最初に買った。「冬に雪で閉じ込められたときのために車に積んでおく」という目的で。最初のころはハイキングやキャンプにも持っていっていた。
スペック
- 容量: 1L
- 重さ: 371g(ガス缶なし)
- サイズ: φ10.4cm×高さ18cm
良いところ
- その名の通り、湯が湧くのが早い。
- 有名。オール・イン・ワン。これ買えばなんとかなる。
良くないところ
- 大きい(バルキー)。とくに底面の熱交換器が大きい。それを覆うプラスチックのカップがあまり意味がない。
- フタが樹脂製で取れやすい。
- スタビライザー(ガス缶を安定させる脚)が付属しているが、嵌めにくく、すぐ割れる。
- 内側がテフロン加工されていない。湯沸かしではなく調理した場合、きちんと掃除しないと再パッキングが面倒。
料理するならOptiums Crux、湯沸かしならFire Maple Petrel HXということで、使わなくなった。
ダイソーメスティン(1.5合、テフロン加工)
コロナ禍でキャンプブームになったころ、日本で購入。最初は1合炊きのアルミメスティンを買ったのだが、調理するには容量・サイズが不足していたのと、清掃が面倒。すぐに1.5合のテフロン加工(たぶん1000円)を追加購入。
固形燃料用ポケットストーブなど、内側にスタッキング可能ないろいろ詰め合わせ。スタッキングセットが色々と手に入ることも良い点。固形燃料での自動炊飯は、ガス缶で他の調理を行いつつ、並行で炊飯できることが非常に良い。
キャンプで調理するようなときには、このサイズは便利。白飯ならギリギリ1合。炊き込みご飯なら0.5合〜0.75合。そうめんやパスタ(半分に折る)とのサイズ感も良い。揚げ物にも便利。
テフロン加工されているので、飯(とくに炊き込みご飯)を炊いても焦げ付かなかったり、清掃が便利だったり。やはり、テフロン加工は必須だ、と認識した。
調理器具として便利なのでキャンプでの出番は多いが、ハイキングには持っていかなくなった。昼食に麺類を茹でる場合でもOptimux Cruxのほうがガス缶とスタッキング可能なので便利なのだ。 そういう意味では、ガス缶とスタッキング可能なPaagoworksのトレイルポットが興味深い。
Optimus Crux Weekend HE
別途、Jetboilとの比較記事あり。
熱交換器が付いていること、内側がテフロン加工されていること、ポットとフライパンのセット、ということで購入。この3点において、非常に満足している。
テフロン加工されているので、パスタなどを茹でて中で調理しても、さっと拭うだけできれいになり、スタッキングして、すぐに次の行動にうつることができる。
ポットの大きさは、昼食のパスタ、炊き込みご飯、レトルトカレーの温め、などにちょうどよい大きさ。フライパンは朝食に卵やスパムを焼いたり、0.5合炊きにちょうど良い大きさ。直径は230缶対応。だいたいのシェラカップ用のリッドがフライパンのフタにもなる。
万能性があり、手持ちの中から、なにか一つ持って行く、となったらこれを選ぶだろう。しかし、230缶サイズのため、大きさを感じるところが不満点。
セットの折りたたみ式のバーナーがOD缶の窪みにフィットすることでスタッキングできることがミソ。しかし風に弱いので、強風時は別途風防が必要。3本ゴトクなのでメスティンを載せるとやや安定性が悪い。また、このバーナーは着火装置がないので点火装置(ライターなど)が必要。SOLの13726 Fire Light Micro Sparkが小さくて便利。
バーナーをWindmasterに換えても収納可能。Windmasterはやや背が高いが風防もカバーできる。
スペック
- 容量: 0.95L
- 重さ: 358g
- サイズ: 124 x 165 mm
良くないところ
- 230缶対応のため、若干大きい。110缶とセットになるタイプもあり、テフロン加工付きのポット+フライパン。サイズ感はそちらのほうが良いのだが、熱交換器が無いのだ。
Evernew Ti Pot 500
ポット単体だと非常に軽い |
ガス缶セットの場合(110缶なし) |
ガス缶セット。中に110缶とFold a cup。蓋が閉まらない。SOTO Windmasterも内蔵できず。 |
アルストセットの中身 |
アルストセットの重さ。この場合はきちんとスタッキングできる |
Windmasterに載せる。バランスが悪くて落ちそう。ハンドルにゴムを巻いてあるがそれでも熱くなる。 |
やっぱり、アルストとの組み合わせがピッタリ |
スペック
- 容量: 550mL
- 重さ: 75g
- サイズ: 径97×深さ87mm
Optimus Cruxのデカさ、重さをなんとかしたかったので。
- 軽量。中に110缶を入れることもアルコールストーブを入れることも。
- 容量500ml。一人用として過不足ない大きさ。
- 同社の他の製品(アルコールストーブ、ゴトク、400FDなど)との組み合わせ。
アルコールストーブとの組み合わせは、軽量でスタッキングもピッタリ決まり、非常に満足度が高い。
- バーナー(Windmaster)が収納できない。
- ガス缶とFold a cup(S)を入れるとフタが閉まらない。スタッフサックでまとめるがかっこ悪い。
- ゴムを巻いたりしたが、取手が火で炙られて熱くなる。
- Windmasterの3本ゴトクに置くと不安定。取手とゴトクの足の方向を合わせなければ落ちる。
Firemaple Petrel Ultralight Pot with HX + Soto Wind master
単体重量 |
110缶、Windmaster、Fold a cupのセット |
上の写真のセット(Evanewセット368gに比べて+100g)。取手がフタをしっかりと押さえる |
3本ゴトクが熱交換器と噛み合い、熱効率と安定性がある |
Windmasterがギリギリ収納可能 |
Optimus CruxとEvernew Ti Pot 500の隙間を埋めるために、比較的安かったというのもあり、買ってみた。
スペック
- 容量: 600mL (600mLを安定して沸騰させられる大きさ、水だけならもっと入る)
- 重さ: 161.6g
- サイズ: 102*106*149mm
良い点
- 比較的安価
- 取手でフタがロックできる
- 取手が長く、熱くならない
- 内径は110缶が格納可能、また、SOTO Windmasterがギリギリ収納可能。
- 熱交換器部分に切り込みがあり、3本ゴトクと嵌合して安定する。
Jetboilに対しては完全上位互換。
- 熱交換器があって早く湯が沸く→同等
- フタが外れやすい→持ち手でフタをロック可能
- 内側がテフロン加工ではなく、調理には不向き。湯沸かし専用→同等
- 外径、重量→Jetboil Flashよりも小さく、軽い
- バーナー(Windmaster)の収納→ギリギリ収納可能。トータルサイズは、Ti Pot 500+バーナー外付けとあまり変わらない。
- 中に110缶、Windmaster、Fold a cup(S)を収納可能。フタがギリギリ閉まらないが取手でロック可能
- 取手が長いので熱くならない
- ゴトクと嵌合して安定感が高い。
- 早く沸く。燃料節約。400mlの湯沸かしの実測でTi Pot 500が2m10s、Firemapleが1m40s。
- 重さ: 110缶込みで461g(Ti Pot 500セットの368gに比べて+100g)
- 400FDとはスタッキングできないが、Tiマルチディッシュはいい感じにスタッキングできるので一緒に持って行って良いだろう。
Optimus Cruxとスタッキングできるので、調理もしたい場合はフライパンを重ねて持っていくことも可能。
不満点は残る。
- テフロン加工がされていない。内壁の加工も荒い。業者に出してテフロン加工してもらおうかな?そこがちゃんとしていれば、Optimus Cruxも置き換えられる可能性があるのに。
結論
- 調理する(ハイキングでもピクニックでもキャンプでも)→Optimus Crux。さらに調理するならメスティンを追加。
- 湯沸かし専用
- 風、低温、燃料節約、信頼性→Firemaple
- (天候が安定している)日帰りハイキングの昼飯→Evernew Ti 500+アルコールストーブ
- コーヒー飲むだけ→Evernew Ti 500+アルコールストーブ
一過性だったのか、湯沸かしに特化していたのが仇になったのか、国内でもジェットボイルユーザーをあまり見かけなくなってます。その点、熱交換器付きのポットは汎用性が高いですよね。
返信削除ジェットボイルは大きくて重いので、他のモノに目が行ってしまいますね。熱交換器は実測でも効果が明らかで素晴らしい技術だと思います。
削除