2023年5月7日日曜日

Optimus Crux Weekend HE Cook System

これまで主力で使っていたキャンプストーブの Jetboil Flash の代替機として Optimus Cruxを購入した。日本ではあまり販売されていないようだが、コンパクトでオールインワンのスタッキング、テフロンコーティングされたクッカーとフライパンのセット、クッカーはJetboilのような集熱フィンが付いていて、熱効率が良い。

なかなか良い品物である。動画を交えて使用感を紹介する。

 


 

 

Jetboil Flash

おなじみ Jetboil の基本モデル。一番小型のモデルは Zip だが圧電着火装置がついていない。圧電着火装置がついている基本モデルが Flash。容量は0.8L。その名の通り早くお湯が沸く。コーヒー豆を挽いている間にお湯が沸く。集熱フィンを使った早沸かしの元祖。オレンジ色。

技術的なポイントは、底面の集熱フィンとケースを覆っている断熱スポンジ、蓋。ストーブとカップが結合するようになっているのも安定性を増すポイント。

110gのOD缶を使用し、一式が内部にピッタリと収まる。ゴトクに付け替えればフライパンなどで調理も可能。蓋は断熱のための重要な部品なのだが、穴が空いていて、コーヒーなどの注ぎ口になる。ただし外れやすく紛失しやすい。底面の集熱フィンの周りは樹脂製の計量カップになっていて、隙間にスープの素などを詰めておける。また、中にお湯が入っているときは集熱フィンにかぶせておくと冷めにくくなる。取手はナイロンバンド製で軽量。缶の脚(スタビライザー)もピッタリ収まるようなものが付属。ただし、缶に取り付けるときに割れやすい。フレンチプレス部品などのオプションも豊富に出回っている。

良い点

  • 早く湯が沸く。沸かすだけなら最強。
  • オール・イン・ワンで使いやすい。

使っていての不満点

  • 外側が断熱スポンジなので焚火にかけられない。
  • 内側がアルマイト仕上げなので、湯以外の調理をすると掃除が大変。
  • 蓋や底蓋が樹脂で、あまり便利でない。
  • コーヒーカップなどは別で用意する。SnowPeakの450mLチタン・ダブルウォールを使っていたが、収納性に劣る。

 

Optimus Crux Weekend HE Cook System

Optimusは Jetboil ほど有名ではないがスイスのメーカー。明るい緑がキーカラー。一部の人にはSveaというガソリンストーブが有名。Cruxは日本での取り扱いは現時点ではやっていないようだ。日本語の情報がほとんど無い。

上記のJetboil の不満点を、ほぼ解消している。

  • 内側がコーティング加工されており、調理(スープ、パスタなど)に使ったあとの掃除が楽。
  • 蓋が小型のフライパン、コーヒーカップとして利用可能(約400mL)。
  • 底面は集熱フィンがあり(HE=Heat Efficient)、比較的早く湯が沸く。
  • 本体、蓋ともに焚火にかけることができる。
  • 250gのOD缶とフィットするように設計されている。110g缶よりは余裕がある。複数日の行動でも予備缶が不要。
  • バーナー部は折りたたんでOD缶の底面の窪みに収まる。このヘッドの名前がCrux
  • ただし、バーナー部は着火装置が付いていない
  • ぴったりサイズの風防が別売。

折りたたみのヘッドは信頼性に疑問が生じるが、いまのところ問題は生じていない。スポンジの袋が付属しており、OD缶の底面の窪みにピッタリと収まるのがポイント。ゴトクは折りたたみ式で展開すると比較的安定する。




 

着火装置が付属していないので、ピエゾ着火装置と、カラビナに一体化しているフリント式の着火装置を同時に携行している。

本体に250gのOD缶、バーナーを入れて蓋をしても比較的収納に余裕がある。下記のコーヒードリッパーに豆、またはカトラリーを折りたたんでも収納可能。トータルの大きさはJet Boil Flash よりも、やや大きいが許容範囲。


実際にコーヒーを淹れている動画。Jetboilに比べても遜色ない湯沸かし速度。豆を挽いている間に湯が沸く。別途カップを持っていいかなくてもフライパンが深いのでコップ代わり。注ぎ口がしっかり機能している。味噌汁を飲んでいたとしてもひと吹きできれいに。乾きも早い。


Optimus Crux Lite Solo Cook Systemという110gのOD缶とフィットする0.6Lの一回り小型のセットもある。こちらは集熱フィンがない。 インスタント食品を食べるだけなら、こちらの選択肢もありだろう。ミニマム感が良い。

Cruxにはレギュレータが付いていないが、寒冷地向けにはOptimus Vega という商品もある。こちらはOD缶を逆さまにして使える、分離型のストーブ。低温によるガス圧低下の影響を受けないので雪山向けだ。


写真追加。ハイキングの昼食に「りんちゃんのスープパスタ」を作成しても、少量の水を回して流し、ペーパーで拭けば、このとおり。すぐに片付けて行動可能。




 
実運用して思ったことがひとつ。セットされている230gのOD缶ではなく110gのOD缶を組み合わせて、空きスペースに食材やカトラリーなどをスタッキングするのも悪くはない。


せっかくなので、他の道具も紹介しよう。



GSI Ultralight Java Drip 

Monbellからも似たようなものが出ている。ネットだけのコーヒードリッパー。直接豆を入れてもよいが清掃を考えると、ペーパーを敷いてから使っている。とにかく超軽量で片付けも簡単。文句なし。

 


Daiso メスティン L

ダイソーの1.5合炊きメスティンLを併用。こちらもコーティングがされていて洗いやすい。

いろいろと内蔵部品が売っていて、ピッタリと組み合わせて使える。

  • このサイズだと、炊き込みご飯なども便利。ママーの早ゆでパスタを半分に折ったらぴったり入る。棒ラーメンやソウメンも、すぐに浸かる。
  • コーティングされているので片付けが簡単。
  • 蓋つかみ。レザーマン的なプライヤーマルチツールがあれば不要かも。
  • 小型オタマ。
  • 網。蒸すのにも使えるし、揚げ物の油切りにも。
  • 小物入れ。モンベルの箸スプーンセット、ダイソーの折りたたみ箸、しゃもじなど。モンベルのカトラリーは折りたたみで箸をねじ込むのだが、スプーンヘッド、フォークヘッドをねじ込むこともできる。ワインのコルクを加工した箸置き。
  • 小型まな板、小型鉄板、風防。風防は背が低いのでアルスト+ポケットコンロとの組み合わせでないと実用的ではない。

最初、ダイソーのメスティンが話題になったときにメスティンSも買ったのだが、飯炊きではなく調理が主の、私の使い方では小さかったのでお蔵入り。 



Optimusの本体+蓋、メスティン本体+蓋があれば、たいていのソロキャンはこなせるだろう。 

 

Seria ステンレス シェラカップ

ザル、オロシ、リッドと組み合わせて。半合炊きにも使える。ダイソーもシエラカップがあるが、造形がシャープだったりメモリがあるので、セリアの方が優れている。ラーメンやソーメンの湯切り、取皿的な使い方。

アルコールストーブ、固形燃料、ポケットコンロのセット。このサイズだとダイソーの風防もフィットする。



荷物が多くてもかまわない時は、B6くんコンロ+燗銅壺セット、ホットサンドメーカーなどが加わる。

明かり系は、太陽電池式の提灯ランタン(7000mAhバッテリーで機器で電源供給も可能)、ヘッドランプ+ランタンカバー(ヘッドランプにかぶせると光を拡散してランタンになる)、Goal Zeroなどを併用。ヘッドランプモードは調光だけでなく天体用の赤点灯があるものを。リュックの中でかってに点灯して電池がなくなったことがあったのでロック付きが必須。



2 件のコメント:

  1. 原理は忘れたけど、フィン付きコッヘルで一酸化炭素が多く発生するってことで、日本の消防法?がなかなか通らずに、この手の新製品が入ってきません。もったいないことですわ。

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    1. Jetboilは輸入できているので、法務部が頑張ったのでしょうか。私の業務でもそうですが、各国法規制をクリアしていくのは大変ですね。

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