1日目 SEA〜ノース・カスケード国立公園(ディアボロ・レイク)〜ホテル
2日目 ホテル〜ノース・カスケード国立公園(カスケード・パス、サハレ・アーム)〜ホテル
シアトルのSEA空港に降り立った第一印象は寒い。この日は9月上旬にしては15℃ぐらいの寒い日でしかも雨。Tシャツにソフトシェルを羽織っただけだと寒い。ウェアを失敗したか!とも思ったが天気予報では暖かくなる予定。アメリカの西海岸地区では、日本と同様にCOVID-19が復活している。機内で咳き込む人もいたし、空港でも1割ぐらいの人がマスクをしている。
シャトルバスでレンタカーステーションに向かう。今回は安さを重視してAlamoだったが並ばずにピックアップできた。
途中で水などを購入して2.5時間程度のドライブでノース・カスケード国立公園に。ゲートはなく入場料は不要。
しかし、直前に発生した森林火災のため、8/26から、メイン道路のR20はビジターセンターから先は通行止め。また、周辺のトレイルも全てクローズ。ただし、Gorge Creek FallsとDiablo Lake Overlookの駐車場は開いているとのこと。
しかたがないので、行けそうなハイキングトレイルであるThornton Lakes Trailに行こうとする。しかし、トレイルヘッドまでの道が、急勾配で凸凹の砂利道。コロラドの14ersでのアプローチ的を思い出させる。こういうこともあろうかと、レンタカーはAWD(4WD)のSUVを借りていたのだが、それでも不安になる感じ。空港での寒い雨、火災での通行止め、などで気分が下がっており、途中で引き換えしてきて、一般観光地であるGorge Creek FallsとDiablo Lake Overlookに向かうことにする。
Gorge Creek Fallsは細長い滝がGorge Lakeに注ぐ。短いトレイルがあってGorge Lakeの展望もある。
Diablo Lakeは、ノース・カスケード国立公園のメインの観光地。このときは風が強かったものの晴れていて、さすがの絶景だったので満足。森林火災の現場も見ることができる。森が茶色くなっているがすでに鎮火しているのだろうか、煙は見えない。
iPhoneで撮った |
ほぼ同じ範囲をEOS-70Dで。HDRが聞いておらずダイナミックレンジが狭い感じがする。PLフィルタをつかっているからかもしれないが、記憶色よりも、くっきりはっきりとした色合い。火災の色合いもよくわかる |
このあたりは氷河が削ったU字谷に水が溜まった湖が連続している。氷河湖であり、削られた岩の砂によるエメラルドグリーンの湖。それぞれの湖はダムが建設され、発電してシアトルに送電している。
周りを囲む山は3000m未満だが氷河が削った急峻な山。雪が多く頂上部は夏でも氷河に覆われているはずだが、近年の温暖化で氷河の後退が著しい。
ロッキー山脈とカスケード山脈で山域は違うが、全体的にグレーシャー国立公園と似ているが、ダムがあったり、標高が低かったり、山岳具合は比較するとマイルドな感じ。シアトルから近いので来やすいという点では良いのだろう。
ホテルがあるSedro-Woolleyの街までは車で1時間弱。田舎街感にあふれる。だが、ホテルもあり、スーパーもありレストランもある。レストランは半分ぐらいがメキシカン。歴史的にメキシコ系の人が多いのだろう。本格的な感じで美味しかった。シアトルから近いので、地元の人は家から泊まらずに国立公園に行くのだろう。
カスケード・パス 〜 サハレ・アーム
翌日はカスケード・パス・トレイル。0430起床、0500スタート0630駐車場着。メインの道路から、U字谷に沿った道を車で進む。途中から未舗装路になるが、急坂だったり、ところどころ穴ぼこ。普通の自動車でも通れるが、SUV, AWDのほうが安心。
0700スタート。全面的にガスっている。トレイルヘッドにはトイレがある。人気のトレイルとのことだが、この時期の平日は余裕で停めれる感じ。
あとで上から見たら地形がよくわかるが、カスケードパスは北西に向かうU字谷。谷底を行けるところまで車で上がってくる。南側(北面)は氷河が残っていたり岩山だが、北側(南面)は樹林帯がある。その樹林帯の中をジグザグに登るルート。最後、ガレ場をトラバースしたら、カスケード・パス。反対側の南東にもU字谷が伸びており、その分水嶺がパス(峠)となっている。
上昇量はあるが、道は林間の歩きやすい道。ただし景観は見えず。熊がいる可能性もあるのでベアベルをチリンチリン鳴らしながらモクモクと修行のように歩く。ガレ場のトラバースから景観が開け、最後のパスでは反対側のU字谷の景観が、ご褒美のように一気に開ける感じ。コースタイムで1h30mぐらい。
見晴らしがない林間ルートをジグザグと登る |
カスケード・パスには休憩所があり、U字谷の景観を見ながら休憩できる。晴れていればかなり絵になる感じ。トイレも設置されている。
カスケード・パスの簡易トイレ |
カスケード・パスから向こう側のU字谷 |
これまでの行程は、ほとんど修行だったが、ここからのサハレ・アームがむしろ本番。
この日は曇っていてあまり見えないが、最初は高山植物のお花畑的なところをジグザグに登る。尾根に出ると高低差があまりない。ときおりガスが晴れて、頂上直下に氷河をたたえたサハレ山が見える。それ以外はガス。はるか下方にはDoubtful Lakeが見える(はず)
雷鳥?のファミリー。雷鳥は英語ではサンダーバードではなく、グラウス(Grouse)というそうだ。Ruffled Grouse(エリマキライチョウ)が普通種とのこと。
このルートは日帰りでも楽しめるが、ゴール地点にはキャンプ地もある。キャンプ装備の人もいて、人気のキャンプ地みたいだ。このような環境でキャンプをするのはとても憧れるが、山岳テント+ダウンシュラフで10万円とか考えると、一気に遠い目になる。
ずーっとガスで景観も見えず、途中、もう引き返そうかと思っていたが、あとすこし、と岩場を登ると、雲の上に出て、急に見通しが得られ、素晴らしい景観が。
次々にガスがやってきて、一瞬一瞬しか視界が得られない。しかし、ガスが晴れたときには、滝雲の上に顔を出す黒々とした岩峰。これがサハレ・アーム・ルートの本気なのですね。
雲が晴れるまで待ち続けたいが、この日はホテルまでの移動が長い。トレイルエンドのキャンプ場には行かずに下山開始。すれ違う人みんな「ずーっとガス?」と聞いてくるが「上は晴れているよ」と返すと元気になる。朝よりも昼前ぐらいのほうがガスが薄くなり、往路で見逃した景観も見れるようになってくる。
復路の尾根から見た、氷河と下の方のダウトフル・レイク。一瞬しか見えない。
1400下山。膝をかばいながらなので、下りも登りと変わらない速度。そこからマウントレニアの近くの次の宿まで移動、4h。途中、シアトル市内を通らねばならず、渋滞に巻き込まれたり。1800チェックイン。街は小さくスーパーも無いので隣町まで買い出し。良さげなレストランもなく、時間節約も兼ねて、スーパーで買ってきた夕食。次の日に備えて早く寝る。
まとめ
ノース・カスケード国立公園の印象は、国立公園にしては難易度が高く山岳ルートなこと。一般ルートのディアボロ・レイクはすぐに見終わってしまうし、メインのハイキングルートである、カスケード・パスはアクセス道路が未舗装で、カスケードパスから先のサハレ・アームの絶景ルートは多少の山道ハイキングの経験が必要。
そのぶん、山っぽい、行かなければ見れない絶景を見せてくれる。
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