コロナ対策を振り返る尾身会長の手記。コロナ対策は必ずふりかえって置かなければならず、尾身氏は対策の中枢であった人。具体的なコロナ対策の記録という点でも価値があるが、このような困難な問題と状況で、きちんと文書を残し、粘り強くコミュニケーションをし、ときには苦言を呈し、内部からの反発もあったり、外部状況の急速な変化に対応したり、それを自分自身が悩みを含めて語っているところに価値がある。専門家としてのリーダーシップのあり方を示した。
コロナ対策を振り返る尾身会長の手記。コロナ対策は必ずふりかえって置かなければならず、尾身氏は対策の中枢であった人。具体的なコロナ対策の記録という点でも価値があるが、このような困難な問題と状況で、きちんと文書を残し、粘り強くコミュニケーションをし、ときには苦言を呈し、内部からの反発もあったり、外部状況の急速な変化に対応したり、それを自分自身が悩みを含めて語っているところに価値がある。専門家としてのリーダーシップのあり方を示した。
2023年9月、日本では第9波といっているが、アメリカでも9月から学校が始まり、人口密集地帯ではコロナ感染者の数字も増えている。また、シアトルでは空港などでマスクをしている人もちらほら見かける。ミネソタは過疎地域、とはいえ「検査しなければ陽性ではない」といって、症状があったり家族が陽性でも出社してくる人もいるので、自衛策は必要だろう。とくに後遺症(Long Covid)のリスクが低くない。自転車やプログラミングなどを趣味にしている場合、有酸素能力の低下やブレイン・フォグなどは避けたいものだ。
FDAがファイザーとモデルナでXBB.1.5株対応のワクチンを承認したので打ってきた。
この記事は2023年9月下旬時点での、ミネソタ、CVSに限定した話であることに注意してほしい。状況は地域・時期によって大きく異なる。
読むには時期を逸した感があるが、Covidのワクチンを短期間で開発したファイザーのCEOによる回顧録。ワクチンの技術的な話ではなくプロジェクトの進め方や意思決定に関するビジネス書的なもの。関係者の尽力には感謝するし、このような協力チームが使命感をもって動いていたことも素晴らしい。本書ではファイザーの4つの価値(勇気、卓越、公平、喜び)が繰り返し参照される。それとともに、根幹となる"Science will win"というスローガンも、難しい判断をする時に常に立ち返らなければならないことだ。勤務先にも似たようなスローガンがあり、気に入っている。
2022-09-07 ミネソタでもCOVID-19の2価ワクチンの接種が始まった。
まずはMoA(Mall of America)のサイトでPfizerの2価ワクチン。2価とはオリジナル株+変異株に対応、ということ。米国の場合はオミクロン含むBA.4/5の共通部分に対応。日本の場合はBA.1対応とのこと。Modernaのものも別のサイトに展開予定とのこと。
現時点での適用要件は
詳しくは、本家サイトにて自身で確認のこと。
また「2価でなければ変異株に対応できない」というわけではなく3回接種で体内で抗体も変異して変異株に対抗するという研究もある。体細胞高頻度突然変異 somatic hypermutationというらしい。
「オミクロンは変異しているのに従来型のワクチンは効果があるの?」と疑問を持たれる方もいると思います。
— TM_Quencher (@TM_Quencher) July 17, 2022
確かにウイルスも変異しますが、3回目接種では抗体も「変異」を起こしてウイルスに対抗します。
体細胞高頻度突然変異 somatic hypermutation と呼ばれる機構です。
打ってきた(9/8)。
日本への入国時、3回ワクチン接種していれば隔離が不要となる。地域によっては、レストランに入るときにワクチン接種証明が求められるかもしれない(最近はそういうこともなくなってきたが)。
アメリカの場合、正式な書類はCDCカードだ。しかし、紙だし持ち歩きにくいし無くしてしまう恐れもある。コピーを取っておくこと、写真を撮ってスマホに保管しておくことは必要だろう。それ以外の電子的な証明書はないだろうか。
ミネソタでの執筆時点(2022年2月末)での現状を説明する。
オミクロン株の急拡大の状況で、アメリカは、全国民に、1世帯あたり4個のCOVIDテストキットの配布を決めた。申し込みが開始されたのは1/18。実際に届いたのは2/14。下で述べるがミネソタでも全米でもピークアウトしている。兵站を誇るアメリカにしては若干遅い気がするが、無いよりはマシだ。
中身はまだ開封していない。iHealth社のAntigen Rapid Test(迅速抗原検査)。鼻に綿棒を突っ込んで検体を取り、15分後に結果が出るものらしい。
2021年の年末。会社の制度を利用して日本に一時帰国することにした。
コロナ禍はまだ続いており、とくに、日本への入国は相変わらず制限が多い。
この記事では、2021年末時点での、米国での事前手続き、日本への入国手続き、日本入国後の状況、日本出発時に必要な手続き、米国への再入国のための情報をまとめていく。
情報共有の目的のため、米国再入国まで、記事を随時更新する。
条件を満たせそうなのと、アメリカでもブレイクスルー感染(ワクチンを摂取していたにも関わらずコロナにかかること)が発生しているので、コロナワクチンのブースター接種(3回目)を受けに行ってきた。
1回目、2回目の様子はこちら→ https://cold-darkstar.blogspot.com/2021/03/vaccination.html
第一回目接種。
MNでは3/30からコロナワクチンの接種対象を16歳以上の全員に拡大した。 これまではわりと順番に、という感じだったが、優先すべき人にも十分行き渡ってきたのだろう。
MNの予約サイトに情報を登録しておいたら、抽選で当たった、とのメールがやってきて、それよりも若干早くに接種を受けることができた。
COVID-19のさなかだが、ビザ更新のために日本に、約1年ぶりに一時帰国した。前回は2020年2月に業務のため帰国していたが、コロナ拡大でアメリカに入れるかどうか怪しかったので3月に急遽USに帰って来たのだ。
USはコロナが蔓延しており、陽性率は10%近い。医療は崩壊に近く、万が一コロナに感染したら、入院しても面会禁止のまま廊下に放置され、そのまま死んだら死体袋に詰められて遺体は庭に放置、しばらくしたらどこかに埋められて、骨も帰らない、というような状況を覚悟していた。無事に日本に帰れて家族と会えたことを感謝したい。
こういう状況下なので、通常とは異なることが多発する。顛末をまとめておこう。
注意:これは2021年2月中旬に日本に入国した場合のこと。3月19日付でさらに厳しくなっている。実際に入国する場合には最新情報を参照する必要がある。
2020-2021冬シーズンのアクティビティの状況について、この記事でまとめておこう。
このシーズンはコロナの影響で他の年とは異なることがいくつもある。しかし、アクティビティ自体はあまり変わらない。近況のアップデートと情報の追加。雪と寒さでできることは限られるが、可能な対応をしていこう。
第一回、統計を見てみると宣伝直後だけでなく、ボチボチ聞いていただいているようで嬉しい。
第二回として、時事ネタだが関心が高まっているであろう、コロナウイルスのワクチンについて、基本的な背景の勉強から最新・これからの状況について、ゲストにお医者さんをお迎えして収録した。
↓音が出ます。
Apple Podcast, Google Podcast, Sptify, Anchor.fm などから Minnesota Hoso Kyokai を検索しても聞くことができます。
https://anchor.fm/nobuhiro-kondo
昨年できなかった、スノーシュー。例年だとアチコチでレンタルしていたりするのだが、今年はCOVID-19の影響で限られる。Lowry Nature Center, Richardson Nature Centerが$5/2hでレンタルしているので行ってみた。要予約。
https://www.threeriversparks.org/page/winter-equipment-rentals
著者はウイルス免疫学を専門とする医師。日経ビジネス電子版の連載を書籍化したもの。インタビューを描き起こした会話調なので、密度は薄まるが読みやすい。2020年11月までの情報が反映されている。コロナウイルスの基本的なところ、感染予防、からウイルスについてまでわかりやすく解説されている。科学的根拠を基に書かれており、今の世の中で生きていくためには、ぜひ読んでおくべき。Kindle版もあるので紙本が売り切れでも海外でも読むことはできるだろう。
ウイルスの素性としてはインフルエンザほどの感染力(R0〜2.5ぐらい)。ただし致死率は2%で、約100倍。無症状者も感染させることがある。「風邪やインフルみたいなもので心配する必要はない」という言説は間違いだ。正しく適切に恐れなければならない。
感染自衛策は、栄養と睡眠、手指衛生、咳エチケット、3密を避ける、体調不良時の自宅待機、マスク、換気、水でのうがい。洗ってない手指で目鼻口を触らない。睡眠の大切さも強調されていた。逆に、買ってきた品の清掃や服への付着は、さほど気にしなくてよいそうだ。もちろん、消毒液を空間噴霧しても健康被害なだけで効果はゼロだ。
ワクチンによる集団免疫獲得が収束条件。逆に言えば、ワクチンが出回るまでは、基本的に、これらの接触抑制などの感染対策しかすることがない。
もしかかった場合の治療は抗ウイルス薬と免疫抑制薬(DEX)の組み合わせが主流。抗ウイルス薬で増殖をおさえつつ、過剰な免疫を抑制することで炎症・臓器不全を防ぐ。
新型コロナウイルス向けには核酸ワクチン(mRNAワクチン)が実用化された。一般的なワクチン(不活化ワクチンなど)は、ウイルスのタンパク質を投与することで人体の免疫機構(記憶細胞など)に免疫を獲得させる。核酸ワクチンはウィルスの遺伝子を人体に投与することで人体内部でウイルスのタンパク質を生産し、それに対して免疫が獲得される。
免疫機構については『はたらく細胞』がわかりやすい。
核酸ワクチンは10年後ぐらいに実用化されるかと思われていたが急速に開発が進み、今回、初めてヒト向けに承認された。これまでは実績が無く研究していたのがベンチャーなどで、今回の波に乗ってスピード勝負を掛けたのが開発期間短縮の事情。ウイルスを増殖させて作る不活化ワクチンと異なりRNAを合成するだけなので大量生産が可能なのもメリットだ。新しいタイプのワクチンとはいっても、いきなり人体実験というわけではなく、2020年8月ごろから治験がはじまっており、安全性に関しては十分なデータが得られているというのが承認の理由。実際アメリカでは治験募集の広告は多く見かける。金のない若者が大量に応募したのも研究が進んだ理由の一つ(ビオンテックのワクチンで4万例)。また副反応に関してはかなりハードルを下げているという情報もある。
BBCの記事を参照しても、技術的には先行開発が進んでいて、遺伝情報が公開されるのが早かったので、相当早い時期からワクチンが開発され治験が始まっていたことがわかる。そして今回は、ウォーターフォール型ではなくリスクを取った先行投資型で開発が進んだ。
一方で不活化ワクチンの開発も並行して進んでいる。応急処置として新型の核酸ワクチンをポイントを絞って使いつつ、従来型の不活化ワクチン・成分ワクチンを待ったほうが長期的には安心できるという意見もある。
アメリカやイギリスでは大流行してたくさんの死者が出ているので、リスクを知りつつも核酸ワクチンを急速導入している。副反応に対しては保証金など、金で解決。しかし、日本はうまく抑え込めている、副反応に対する拒絶が大きい。よって、状況を分析しながら不活化ワクチン(または安全が実証されたワクチン)を慎重に導入、それまでは接触抑制でなんとか抑えこむ、というのが日本に推奨される対策としての著者の意見だ。
また、筆者は、科学的に誠実な態度として、これらのワクチンは効果はあるだろうが、その効果のほど(感染を抑えるなど)は現時点で不明、と言っている。それと同様に感染抑制についてもよくわかっていないので、「新しい生活様式」も、どの程度がいいかはやって行きながら、適切なレベルに調整することが必要。現時点で明確な答えはない。科学者は、わからないことはわからない、と言う。逆に言えば、断言は信用ならない。
だいぶ普及してきた考え方だとは思うが、検査して陰性だったからといって安心できない、という点にもページを割いて触れられている。PCR検査は事前確率が高い群に対して行うのが有効だ。こういった、専門的な見地からは答え出ている事柄に対しても「オレ理論」を展開する素人は多い。デタラメを分別するツールになる。日本でもポピュリズムで「敵」を作ったり「安心」に訴えるといった感情重視・論理軽視の動きが増えてきた。今後も注意が必要だ。