2022年2月14日月曜日

COVID Test Kit

オミクロン株の急拡大の状況で、アメリカは、全国民に、1世帯あたり4個のCOVIDテストキットの配布を決めた。申し込みが開始されたのは1/18。実際に届いたのは2/14。下で述べるがミネソタでも全米でもピークアウトしている。兵站を誇るアメリカにしては若干遅い気がするが、無いよりはマシだ。

 

 

中身はまだ開封していない。iHealth社のAntigen Rapid Test(迅速抗原検査)。鼻に綿棒を突っ込んで検体を取り、15分後に結果が出るものらしい。


 

 

背景

COVID-19初期のころに、日本で大量PCR検査の是非が議論されたことを覚えているだろうか。

科学的に言えば、検査リソースが少ない日本では大量PCR検査は効果が少ない施策である。潜伏期間や偽陰性があるので、検査陰性でも感染拡大行動をすれば感染が拡大することが大きな理由。それよりは一律の行動制限の方が全体としての感染抑制効果は高い。

また、感染拡大地で無料検査を実施すれば、検査会場に感染疑いの人が集まり、そこでもらってくることが問題(実際にNYなどで大発生した)。

検査キットのリソース充実、人的リソースの欠乏、検査会場での感染拡大の予防、オミクロンは潜伏期間が短い、感染拡大による事前確率の増加、などが、検査キットの配布を行った理由だと推測する。無償配布ではなくとも、市中でも検査キットを購入することができ、コミュニティによっては、知人宅訪問前には(ワクチンx3は大前提として)検査陰性も求められるようだ。

 

申し込み方法

実は、アメリカには住民票とか戸籍というものが無く、政府は国民の住所録を持っていない。 納税者DBはあるので、還付金を配る時はIRS(国税庁みたいなもの)のデータベースをもとに小切手を郵送した。今回の検査キットは納税者以外の全住民に配る必要がある。そこでUSPS(郵便局)の住所データを基に配布した。USPSのサイトに申し込むと(名前と住所を入力するだけ!)郵送されてくる。この簡単さは素晴らしい。


現状

この記事を描いた時点(2022-02-15)での状況をまとめておこう。

 

人口あたりの新規陽性者数



http://91-divoc.com/pages/covid-visualization/ より。日本、アメリカ、ミネソタの1日あたり、人口あたりの新規感染者のグラフ。2020年2月時点で、人口あたりの新規陽性者数は、日本>ミネソタである。グラフからは、ミネソタでもピークアウトが見えるが、現時点での新規陽性者数の水準は、絶対値としてはまだまだ高い。

縦軸は100k人あたり、1日あたり。なので70のメモリは10日累計だと、100k人あたり700人。100人に0.7人ということ。肌感覚と合うだろうか。アメリカは社会が分断しているので、肌感覚と統計値が合わないことが多い。

日本での感染者数が、過去最高に増えていることがよくわかる。ミネソタはデルタ株(2021年9月)の影響よりも冬に屋内に篭って交流することの感染拡大への異教が大きいことが興味深い。 


しかし、(比較的リベラルな)ミネソタでもコロナ対策疲れ、慣れは目に見えてわかる。国内線飛行機は満席。レストランもフルオープン。スーパーでもマスク着用率は50〜70%ぐらい。

これだけ感染者数が増えているのに、しかも、オフィスのルールでマスク着用が求められているにも関わらず、オフィスでマスクもしないでWeb会議で大声で喋っているなど(家から出ればいいのに)。そういう人の傍ら、どうしてもオフィスに来なければならない人はN95/KN95マスクを着用している人もいる。

 


日本の状況は、大阪が特に悪い


下のグラフはhttps://web.sapmed.ac.jp/canmol/coronavirus/japan_severe.html から人口あたりの重傷者数。「改革」のおかげで保健所・保健師の数が非常に少なく、深刻化度合いが高い。感染者の増加は人流や経済活動との兼ね合いで仕方がない面もあるが重症化については、明らかに人災。

 

オミクロンは軽症ではない

オミクロンは重症化しない、インフルみたいなもの、という意見もよく見る。しかし、LONG COVID(味覚障害やBrain Fogみたいな後遺症)、その後の心血管系疾患の有意な増加など、科学的には明らかに異なる。まだまだ、甘く見ること無く、慣れることなく、完全にピークアウトするまでは対策の継続が必要だろう。

 



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