2019年11月27日水曜日
『観察スケッチ』
プロダクトデザイナーの檜垣万里子氏がツイッターで #観察スケッチ を投稿しているが、それのまとめ本。檜垣氏以外のデザイナーによる観察スケッチも収録されている。
製品をスケッチしながら、その構造の裏にある製法やデザイナーの意図などを見つける、という活動。
大量生産される製品は、あるていど製法が決まってきて、その製法からくる制約がある。たとえばプラスチックの射出成形するための抜き勾配など。デザイナーがその制約をどのように考え、どのように処理しているかが、スケッチをすることを通じて詳細に観察すると見えてくる。また、制約以外でも、直線やRの処理、寸法の丸め方や比率なども、寸法を測りながらスケッチしてみると、デザイナーの意図が見えてくる。
技術的な観点で参考になるだけでなく、そこに添えられたコメントから製品に対する愛情が感じられるのも良い。
2019年11月25日月曜日
『新しい料理の教科書』
アメリカは物価が高いので必然的に食事は自炊が中心となる。日本ではほとんど料理をしていなかったが、アメリカに来てゼロから覚えていっている状態だ。
定番の料理のレシピを、科学的に分析し、改善提案をしている。その理由が科学的に書かれていて、理系としては理解しやすいのがよいい。
例えば、ニンジンは茹でずに焼いたほうがいい、なぜならば旨味成分が水溶性だから。逆にブロッコリーは旨味成分が脂溶性なので茹でたほうがいい、など。それ以外に、肉の下処理や熱のかけ方なども参考になるテクニックが多く紹介されている。
部分的には、最近のネットレシピで紹介されている原理が多く、3割ぐらいは実践済みだった。残りのレシピも試してみたい。
2019年11月15日金曜日
『ビジネスパーソンの英単語帳』
今回読んだのは書影にあるエッセンシャル版。
使われる状況やニュアンス、よくある不適切な使い方と適切な使い方のペアで説明されていて、単語の使い分けについて、とてもわかり易い。単語数が絞り込まれているので、逆に、それだけ覚えて使いこなそう、という意識になれる。単語がたくさん説明されていても、使えなければ意味がないのだ。使いやすさ、という意味でとても役に立つ本だ。
2019年11月11日月曜日
『ぼくらがアニメを見る理由』
アニメ批評ブログの書籍化、のような本。実際には筆者はプロのライターで、これまでに書いた記事を集めたものである。筆者がいうに、批評とは作品を歴史の広がりの中のどこに位置付けるかを定める仕事らしい。本書の批評はその目的に沿っていて、単なるキャラクターや演出の良し悪しではなく、時代の流れの中での前作や他の作品との関係性、どのように他の作品に影響を与えたか、などを論じている記事が多い。
基本的には作品を見たことがあることを前提とした記事だ。見たことがない作品に関する批評はほとんど理解できない。目次などで、どのような作品が取り上げられていて、見たことがある作品があれば、その作品に対する俯瞰的な味方や分析的な味方は、楽しみ方の幅を増やすことができるだろう。
2019年11月9日土曜日
『GIRL CODE』
アマゾンで検索してみると、色々出てくるが、今回読んだのはこの本。
アメリカの女子高生が、女子だけのプログラミングスクールで、生理タブーに関するゲームを作ったらバズって、その機会を捉えて成長していく話を、一人称で語っている。
本人たちも理解しているとおり、プログラミング技術としては苦労はしたがとくにすぐれtところは無いだろう。しかし、女子高生のプログラミングスクールというバックグラウンド、生理タブーに挑戦すること、プログラマーの女性比率、実際にアメリカで起こった事件などの目の付け所はよく、彼女たちのゲームは高評価を得た。もう一つ、よかったことは、きちんと作品として完成させて SNS で公開したこと。バズるかどうかは時の運もあるだろう。結果的にゲームはバズった。彼女たちが優れているのは、その機会をしっかりと捕まえて、インターンや人との出会い、自分の過去の人生と向き合いこれからの人生を再構築して、すごく成長できたところ。
ヤングアダルトの読み物としてはとてもいいだろう。オッサンには若干つらい。
実際のプログラミングの話は全く出てこず、女子高生のブログ的な内容ですぐ読める。面白いが読み返すことはあまりないし、それゆえ2270円はすこし高いという印象。キンドル読み放題で読むぐらいがちょうどいい。
アメリカの女子高生が、女子だけのプログラミングスクールで、生理タブーに関するゲームを作ったらバズって、その機会を捉えて成長していく話を、一人称で語っている。
本人たちも理解しているとおり、プログラミング技術としては苦労はしたがとくにすぐれtところは無いだろう。しかし、女子高生のプログラミングスクールというバックグラウンド、生理タブーに挑戦すること、プログラマーの女性比率、実際にアメリカで起こった事件などの目の付け所はよく、彼女たちのゲームは高評価を得た。もう一つ、よかったことは、きちんと作品として完成させて SNS で公開したこと。バズるかどうかは時の運もあるだろう。結果的にゲームはバズった。彼女たちが優れているのは、その機会をしっかりと捕まえて、インターンや人との出会い、自分の過去の人生と向き合いこれからの人生を再構築して、すごく成長できたところ。
ヤングアダルトの読み物としてはとてもいいだろう。オッサンには若干つらい。
実際のプログラミングの話は全く出てこず、女子高生のブログ的な内容ですぐ読める。面白いが読み返すことはあまりないし、それゆえ2270円はすこし高いという印象。キンドル読み放題で読むぐらいがちょうどいい。
2019年11月2日土曜日
『グッド・マス』
数学や計算機科学の入門書。本書で最も興味深いのは、やはり第VI部の計算機科学に関する記事たちだろう。有限状態機械、チューリングマシン、ラムダ計算、停止性問題などが、コード付きで出てくる。コードはいきなり Prolog やら Haskell やら Lisp やらが出てくるが、びっくりせずに雰囲気で読み進めていいだろう。
それよりも前のところでは、ペアノ算術、論理学、集合論、群論など、計算機科学と親和性が高い数学基礎論の啓蒙書となっている。 計算機科学のを理解するために必要な数学ではあるけれど、それとは別に、計算機科学が好きな人が好きな数学でもある。たとえば、ラムダ計算でチャーチ数を構成するためにはペアノ数の構成方法を使う、再帰の背後には数学的帰納法があり整数論が背景にある、など。
それよりも前のところでは、ペアノ算術、論理学、集合論、群論など、計算機科学と親和性が高い数学基礎論の啓蒙書となっている。 計算機科学のを理解するために必要な数学ではあるけれど、それとは別に、計算機科学が好きな人が好きな数学でもある。たとえば、ラムダ計算でチャーチ数を構成するためにはペアノ数の構成方法を使う、再帰の背後には数学的帰納法があり整数論が背景にある、など。
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