数学や計算機科学の入門書。本書で最も興味深いのは、やはり第VI部の計算機科学に関する記事たちだろう。有限状態機械、チューリングマシン、ラムダ計算、停止性問題などが、コード付きで出てくる。コードはいきなり Prolog やら Haskell やら Lisp やらが出てくるが、びっくりせずに雰囲気で読み進めていいだろう。
それよりも前のところでは、ペアノ算術、論理学、集合論、群論など、計算機科学と親和性が高い数学基礎論の啓蒙書となっている。 計算機科学のを理解するために必要な数学ではあるけれど、それとは別に、計算機科学が好きな人が好きな数学でもある。たとえば、ラムダ計算でチャーチ数を構成するためにはペアノ数の構成方法を使う、再帰の背後には数学的帰納法があり整数論が背景にある、など。
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