本書は、異世界転生ライトノベルで現代知識チートものを書くときに、その現代知識の考証をサポートするという目的が掲げられている。最近は読者の目が肥えているので、下手な考証だと興をそがれてしまう恐れがあるのだ。そのために、辞書的に幅広い分野が紹介されている。また、科学分野にかぎらず政治学や経済学などの文系学問も含んでいる。それぞれの知識ごとに異世界での有用度がコメントされているのが特徴。内容は中学~高校までの知識をわかりやすく整理した感じである。大学レベルの知識をラノベに登場させても読者がついて行きづらいのだろう。でも、そういう知識でさえもをラノベのストーリーに載せてインストールしていくのも面白いと思う。
よく似た本に『 宇宙戦艦ヤマト2199でわかる天文学』がある。こちらのほうがより専門的な内容を含む。
学校で習う知識については、よく「社会に出たら使わない」と言われ、それと合わせて「学校の勉強より大切なものがある」とも言われる。しかし、学校で習うような知識は、本書で応用例を示しているように、異世界に転生したときに役に立つので、やっぱり真面目に習得しておいたほうがいいだろう。知識は「社会に出たら使わない」のではなく「知識を使わない事しかしていない」のだと思う。
たとえ異世界に転生しなくても、現代社会の様々な仕組みや自然現象には学問的なバックグラウンドがある。それを知らなくても恩恵に浴することができるが、知っているといろいろなことが面白くなる。それに、疑似科学に騙されなくなるという効果もある。
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