2022年9月25日日曜日

Mesabi Trail

Mesabi Trailはミシシッピー川上流のGrand Rapidsからバウンダリー・ウォーターの中心地Elyを結ぶ145マイルの舗装トレイル。一部区間はまだ完成していない。その地域にある、メサビ鉄山に代表される鉄鉱石産地を結んでいる。Grand RapidsからMcKinleyまでの区間を2回に分けて自転車で走ってみた。

 

 

Wikipediaなどリンクを多めに張ってあるので、興味がある方はたどってみてください。

 

 

情報源はMesabi Trailのサイト。そもそもがインスタグラムのexplorerminnesotaのアカウントから。季節のミネソタのアウトドア情報を発信しているので興味があればおすすめ。Mesabi Trailの存在もそこから知った。


地学

この地域は世界でも有数の鉄鉱石の産地、というのは中学生の社会で習うだろう。メサビ鉄山の鉄を、鉄道でダルースまで移送し、そこから五大湖の水運を利用してシカゴやデトロイトに送り車や工業製品を作る。それらはセントローレンス川を通って世界に輸出される。

鉄鉱石の成因が興味深い。このあたりはカナダ楯状地の安定陸塊。長い間の浸食を受け水面下に沈む。先カンブリア代(20億年前)に一帯で藻類が発生し光合成が開始され、水中に酸素が増加する。岩石に含まれる鉄が溶けて流れ、水中で酸素と化合し、水酸化物として析出して沈殿する。その地層が隆起したものが、この地域のアイアン・レンジ。よって、鉄鉱石の産地は地層に沿って線状に分布する。算出する鉄鉱石はタコナイト。つまり、鉄分を含んだチャート(珪藻などの二酸化ケイ素質の生物の堆積物)である。玉鋼などに使われる磁鉄鉱に比べて低品質ではあるが大量に低コストの露天掘りで掘れる。

その産地に沿って、鉄道輸送があり、廃線跡を利用したのが、このメサビ・トレイル。

アイアン・レンジが堆積する前は、溶岩が噴出して浸食を受けたカナダ楯状地。つまり、カナダ楯状地の地岩はそのさらに昔の岩石。アイアン・レンジの北側にはバウンダリーウォーターという地帯が広がっている。氷河が削りとったカナダ楯状地の表面が露出して、大小の湖が点在している。ボエジャーズ国立公園には、まさに、氷河が削った跡が付いている30憶年前の露岩を見ることができる。それらの古い溶岩の噴出の中には地中深くからの届け物であるメノウ(Agate)がある。石英がゆっくり固まってできた岩。ときには不純物である金が濃縮されていて、金鉱山もあった。


McKinley - Hibbing

レイバーデイの週末、天気がよいので、急遽、でかけてきた。せっかくなので宿泊は近隣のSavanna Portage State Parkでキャンプ。

St.Paulからは車で3hぐらい。McKinleyのトレイルヘッド、または近くの教会に車を停めてスタート。この週末は冷え込んだ。半そでアンダー+夏用長袖ジャージ+夏用レーパンで、スタート時は動いていないと肌寒い感じ。日中は気温が上がって汗ばむ。調節が難しい。天気は快晴、風は無風という最高のコンディション。町と町の間はトレイルがつながっているが、わりとアップダウンがあり、ウネウネしていて、快走区間は60%ぐらい、という印象。町中を通る区間も標識が明瞭なので、たどっていけば迷うことはないだろう。迷ったときに復帰するにはGPSにルートをダウンロードしておいたほうが便利だろう。



 

トレイルは、町をつなぐようにつながっているので、休憩・補給に苦労することはない。しかし、街はずれを通っているので、うっかりしていると、休憩しようとしていた町を通り過ぎてしまうことがあるかも。地図を見て休憩場所などは事前に計画しておくのが良い。

GilbertからVirginiaに下って行ってVirginia High Bridgeから鉱山跡の湖を見下ろすところはハイライトの一つ。Virginiaは大きい街だが鉱山の中心は隣のMountain Iron。ここも展望台や展示があってわかりやすいが、ルート上から直接鉱山を見ることはできない。

 


Virginia High Bridge


 


Mountain Iron からの眺め(溜池しか見えない)
 

そこから先、林の中を快走路が続く。ときおり、土の色が真っ赤だったりして、鉱山ぽさもあるが、基本的には林の中。Hibbingに入る手前(東側)、道のわきに鉄鉱石(タコナイト)が並んでいるところが雰囲気があってよい。


遺跡

タコナイト

赤いダンプ道

 

Hibbingで約60km。比較的大きな町。レイバーデイなので、国旗が飾られている。ガソリンスタンドで補給して復路につく。






Savanna Portage State Park

https://www.dnr.state.mn.us/state_parks/park.html?id=spk00259#homepage

近隣の州立公園で、直前に、近隣で、空いていて、かつ、シャワーが使えるところを検索した結果。DNRのキャンプサイト検索は、目的のサイトが満席でも近隣のサイトを検索できるのが便利だ。

Savanna Portage State Parkは湖の周りの公園。Loon Lakeは泳げるぐらいきれいな水、とのこと。隣のサイトでは家族連れでラッシュガードなどが干してあった。私は宿泊のみの利用。湖の隣なので水が豊富。自転車の後なので、水とはいえシャワーが浴びれるのはありがたい。トイレは水洗。釣りもできる(道具は持って行ったが結局竿を出さず)し、ミシシッピ川とスペリオル湖の分水嶺ともなっている、とのこと。また熊が出るらしく、食糧の保管には注意が必要。

Mesabi Trailからは車で1h30mぐらい。地図で見たら近いが意外と遠かった。サイクリング終了後に向かうと、日曜日は1500までの営業。封筒にお金を入れるスタイルで薪を購入。入場費は年会費払い済み。サイト予約はウェブで事前。

1730ごろ到着して、テキパキとテントを張って、シャワーを浴びて着替えたら、明るいうちに火を起こして夕食。機材を確認したら、ヘッドランプは電池切れ、アマゾンで買った激安のランタンは壊れてた。モバイルバッテリーを懐中電灯に、iPhoneを自撮りスタンドに立ててランタンとした。機材管理はきちんと…

家で牛肉塊を低温調理して持ってきたので、現場では炭火で表面を焼くだけ。日本で買ってきた各種スパイス類のテスト。焚き火で練炭に火を起こしてカンドコで表面を炙る。この週末は寒さが予想されたので日本酒の熱燗を軸に。焚き火の方では、ホットサンドメーカーでソーセージを焼く。

 

ほりにしアウトドアスパイス、かぼすペーストなど

B6くん・かんどこ

 

オーロラが見れるかも、との期待もあったが出現時刻がずれていたみたいで見ることはできなかった。

朝食はパスタ、サラダ、ソーセージ、フルーツ、コーヒー。

曇り&霧、すこし雨がパラついていたので早めに退散。

速茹でパスタは半分に折れば、ダイソーメスティン大(1.5合)にピッタリ

 

車で、鉱山っぽい景色を探してぐるぐるする。当然ながら、鉱山会社の私有地で立ち入りが制限されている。Virginiaの近くのLeonidas Overlookが比較的よくみれた。


 


Grand Rapids - Hibbing

9月末の別の日に、西側のGrand RapidsからHibbingを往復した。めっきり寒くなってきたので紅葉が始まっているかと思ったがまだ10-25%ぐらいだった。出発時の気温は10℃。冬用タイツ、トーカバー、長袖アンダー、薄い方の冬用長袖、手袋。走り始めたら日がさし、寒さはほとんど感じなかった。

トレイルの雰囲気は東側と似たような感じだが、街と街の間隔が狭く、ペース配分や補給はやりやすいように思った。

Hibbingでは前回行きそびれた、露天掘りの展望ポイントに。グラベルの上りがあるが、露天掘りの鉱山が一望できて(広すぎて全ては見えない)満足。

 




 

 

 





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