2023年4月12日水曜日

金星とすばるの接近

2023-04-11 金星とすばるの接近があった。おうし座、すばるは黄道上にあり、金星に限らず惑星との接近はさほど珍しい現象ではない。すばると金星の接近も3年ぶり。一時的に冬も緩み、よく晴れていて、夕方の会議もなかったので、近くのインディアン・マウンヅまで観望に出かけてみた。インディアン・マウンヅは、ダウンタウン・セントポールの南西にある、ミシシッピ川沿いの丘(Bulff)で、STP地方空港を見下ろす位置にある。都市明かりの影響を受けるが、近くで西方の視界が良い観望地。


金星とすばる




冬の星座の解説


EOS-70D+EF-S 15-85+ソフトンフィルタ 15mm/3.5/2s/ISO1600 トーンカーブ補正

これが15mmレンズ+APS-Cセンサで撮った「冬のダイヤモンド」全景。ギリギリ収まっている。都会でもだいたいこれぐらいは見える。

この写真を見ながら、この解説に従って星をたどってみて、下の写真の線が辿れただろうか。そうすれば、主な冬の星座はいつでも自分で見つけられる。写真はクリックすると拡大される。ミネソタは緯度が高いので日本よりも、星座がだいぶ低く見える。

まずはオリオン座。三ツ星を見つけたらオリオンビールの歌を歌う「三ツ星かかげて高々と〜」。左上が赤いベテルギウス(平家星)、右下が白いリゲル(源氏星)。三ツ星の下に縦に小三ツ星。中央がオリオン大星雲。三ツ星を左下に伸ばすと、おおいぬ座のシリウス。全天で一番明るい恒星。シリウスを大イヌの鼻と見立てて、2つの目で三角形が描ける。シリウスの上にこいぬ座のプロキオン。隣に胴体の星がある。ベテルギウス、シリウス、プロキオンで冬の大三角。オリオンの真上に双子座。左の明るい方(白色)が弟のポルックス、右の黄色い方が兄のカストル。これらは双子の頭の星。胴体が下に並んでいる。写真には火星が赤く写っている。

三ツ星から右に伸ばしていくと、おうし座のアルデバラン。周囲の小さいV字の並びはヒアデス星団。アルデバランを除くヒアデス星団の星は見た目だけでなく実際に近くに存在している。アルデバランは牛の右目(向かって左側)。角が2本伸びている。三ツ星からさらに伸ばすと「すばる」。西洋ではプレアデス。ギリシャ神話での7姉妹。それぞれに固有名が付いている。星座の中では牛の心臓。肉眼では6つぐらいの星が羽子板状に密集している。『枕草子』に「春はあけぼの〜星はすばる」と歌われる。近くに居るのが金星。

牛の顔から2本の角が生えている。向かって右側の角先は五角形のぎょしゃ座と共用。その中で一番明るいのがカペラ。リゲル〜シリウス〜プロキオン〜ポルックス〜カペラ〜アルデバランとつなぐ六角形が冬のダイアモンド。全部一等星。

おうし座の右上はペルセウス座、さらに右にはアンドロメダ座などの秋の星座がある。春の時期には夕方早々に沈んでしまうが、冬の星座を知っておくことは、冬の夜や秋の深夜に、秋の星座をたどる目印にも有用。

これら冬の明るい星々は非常に特徴的であり、ギリシャ神話系統以外でも、中国、日本、アラビア世界で、それぞれの名前がつけられていて、非常に興味深い。


 

Stellarium webより

暗い夜空では、カペラ〜双子の足元〜シリウスの上ぐらいを冬の天の川が通っている。薄くて、空が明るいところではわかりにくいが、双眼鏡で見てみると微光星がたくさん見えて美しい。双眼鏡で天の川銀河の微光星を楽しむことは、天の川下りとも言われる。

一方、ふたご座〜牡牛座の並びは、星占術でも出てくる黄道十二宮。黄道とは太陽の通り道であり太陽系の軌道面。つまり惑星も黄道に沿って動く。太陽も黄道上にあり沈んでいるが地平線付近に残照が残っている。この時期にはふたご座に火星、牡牛座に金星が居る。水星はおうし座の右下のおひつじ座に居て、太陽はさらにその先のうお座に居る。 水星は太陽に近いので夕方か早朝しか見えず、また、太陽の明るさに隠されるので見る機会が少ない。この日も、肉眼では判別できなかったが、動画には写っていた(地平線近くの夕明りの中にある光点)。

15mm f/3.5 ISO1600で5秒間隔で撮影したものをタイムラプス動画に合成。M2 macのGPUを使ったエンコーディング(videotoolbox)で楽に処理できる。2160pでアップしてあるので、Youtubeのサイトに行って高解像度で見てみてほしい(でないと星が潰れる)。


#!/bin/bash
START=6839
OUTPUT=video1.mp4
ffmpeg -r 10 -start_number ${START} -i IMG_%04d.JPG -r 60 -an -b 24000k -vcodec h264_videotoolbox -s 3240x2160 ${OUTPUT}

 

 

金星とすばるの接近


やっと本題

EOS-70D+TAMRON 70-300 300mm/5.6/0.5s/ISO8000 トーンカーブ補正

空も暗くなってきたので、レンズをTAMRON 70-300に付け替え。こちらはソフトンフィルタ無し。300mmですばるの形がはっきりと分かるが、同視野に金星も入る。金星は半月状のはずだが白飛びしていて形状はわからない。

この世代のカメラでもISO8000がなんとか使える。おかげで、追尾無しでもシャッター速度が0.5sでブレがほとんど無い。





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