イギリス版『失敗学』。非常に読みやすく書かれている。導入として、失敗から学ぶ姿勢を第一にしている航空機業界と、10人に1人(アメリカの例)が医療ミスにあっている、権威主義的だとされている医療業界の比較。医療機器の開発において、患者に生じる危害の深刻さと、その発生確率から「リスク」を定義して、それを低減する仕組みが導入されている。しかし、えてして主観的で、忙しさやスケジュールから来る正当化(英語ではJustification)とのせめぎ合いになることもあるだろう。本書は、失敗に正しく向き合うことによって得られる成果について書かれている。そして粘り強くやり抜く力の重要性についても。
アメリカでは自己正当化はとても強い。「この問題について考えたいんだけど…」と言うと「いや私は悪くない」(なにも責任を問うているのでも非難しているのでもなく、問題を解決したいから相談にのってほしいだけなのに…)ということがよくある。物事を良くしたいという基本姿勢、結果として当人にも良いことがあること、をまず最初に理解してもらう必要がある。
じつは、以前に図書館で借りて読んでいたので、2周目。相変わらず、失敗にきちんと向き合えていないがために、失敗を繰り返している事例に遭遇し続けている。
過去の読書記録はこちら
https://cold-darkstar.blogspot.com/search/label/%E6%9C%AC
https://booklog.jp/users/nkon
http://park11.wakwak.com/~nkon/misc/book/
0 件のコメント:
コメントを投稿