ラムダ・ノートからの技術書。副題は「CPUは如何にしてソフトウエアを高速に実行するか」。近年のCPUはコンパイルされたマシン語の命令列をクロック毎に逐次的に実行するだけでない。数GHzでコアが実行されるがメモリや周辺機器へのアクセスはそれに比較して遅い。そのために、パイプライン化、マイクロコード、スーパースカラ、キャッシュ、マルチコアなど、様々な方法で速度のギャップを埋め、結果として高速にソフトウエアを実行する。ソフトウエアが高速に実行されるためには、とくに低レイヤーに踏み込む場合は、そのようなメカニズムと制約を理解してコードを書かなければならない。本書前半部は、だいたいの知識を持っていたので確認のために。後半のメモリーオーダーやアトミック操作については、あやふやな知識の再勉強のために。