2024年9月10日火曜日

PCT/TRT, Lassen Volcanic National Park

今年の夏のメインアクティビティとして、カリフォルニアとネバダの境にあるタホ湖の周囲を一周しているタホ・リム・トレイル(TRT)に行ってきた。時間が無いので一周ではなく、PCT(Pacific Crest Trail)と区間を共用しているデソレーション原野をメインに、3泊4日のハイキング+ラッセン火山国立公園という計画。

 


 

めちゃくちゃ長いです。

この記事は、計画と旅行全体についてのまとめ。個別の記事として次の詳細記事がある。

写真はクリックすると拡大されます。

 

これまで、アメリカの国立公園を訪れてハイキングをしていたり、ミネソタ北部スペリオル湖北岸のSHT(Superior Hiking Trail)を歩いたりして、景色を楽しんでいた。現地でハイキングをしている人を見たり、YouTubeで色々見たりしているうちに、アメリカでのPCTをはじめとするロングトレイルハイキング文化、ULハイキングスタイルに興味を持った。昨年、バウンダリーウォーターに行って2泊3日の文明から隔絶された原野旅が非常に良かった。いろいろ調べて、タホ湖(Lake Tahoe)の周りのタホ・リムトレイル(TRT:Tahoe Rim Trail)がちょうど良さそうなので目標とした。PCTと区間を共用しているデソレーション原野(Desolation Wilderness)の風景や空気感に惹かれたのと、昨年より一日長い3泊4日の原野ハイキングは良い挑戦だと思ったのだ。

それと連結させて、近くのラッセン火山国立公園にも寄る。できれば、その近くのクレーターレイク国立公園にも寄りたかったのだが日程が足りなかった。デソレーション原野のパーミッションが月曜日からしか取れなかったのだ。

地学的な概要

北カリフォルニアとネバダの境にタホ湖(Lake Tahoe)がある。高山湖で周囲を山に囲まれている。夏の避暑地、冬のスキーリゾートとして有名。

タホ湖の東側はシェラネバダ山脈。タホ湖自体はグレート・ベイスンに属している。グレート・ベイスンは内陸地帯。ここに降った雨は海には流れ出ない。タホ湖からはTahoe Cityからトラッキー川が流れ出ていて、川下りのレジャーで賑わっている。トラッキー川はRenoを通って、ピラミッド湖に注ぐが、そこから流れ出る川は無い。ソルト・レイクみたいに、そこで蒸発しておしまい。

周囲の山を一周する全長292kmのタホ・リム・トレイル(TRT)がある。新しく作られたトレイルでよく整備されていて、スルーハイク(一周)すると10〜14日の日程とのこと。カリフォルニア側のデソレーション原野は、PCTと区間を共用している。TRTはMTBのトレイルとしても有名だが、デソレーション部分などはMTBが禁止されている。デソレーション原野はヨセミテ国立公園のような花崗岩の貫入が露出している地域。昔にマグマが上昇してきて、地中でゆっくりと冷えて固まり、花崗岩の岩塊ができた。それが後世にさらに上昇して地表に露出している。白い岩山が象徴的な地域。デソレーションとは荒廃という意味。つまり、デソレーション・ワイルダーネスは荒廃した原野。樹木が少なく、むき出しの花崗岩の岩山が続き、高原湖が点在する。

高山地帯であるので、夏でも気温が低く、最低気温が5℃ぐらいになる。森林区間もあるが森林限界を超えて低木や花崗岩地帯も多い。北アルプス的な雰囲気だろうか。6月・7月は残雪が残っていることも多い。天気予報では晴れが続くが前の週には初雪が降っていた。

秋は晴天が続き、トレイルの水源が枯れるリスクがあるが、虫は少ない。乾燥しているので森林火災も多発する。


 

タホ湖の標高が7000ft(2133m)。デソレーション区間の最高地点がDicks Passで9500ft(2895m)ぐらい。TRTの最高地点は北部のRelay Peakで10338ft(3151m)。 

もちろん紙の地図も持って行くが、オフラインマップはFarOutというアプリを導入。TRTの地図は$24.99。水場などの情報がある。

ラッセン火山国立公園は、シェラネバダ山脈ではなく、カスケード山脈の南限となる。カスケード山脈は、セント・ヘレンズ山なども属する、環太平洋造山帯の活火山山脈。 ゴルダ・プレートやファン・デ・フカ・プレートが北米プレートに沈み込むことによるカスケード沈み込み帯による造山活動。日本の火山帯と非常によく似ている。ラッセン国立公園内の最高峰がラッセン山(3187m)で槍ヶ岳(3180m、日本5位)より高く間ノ岳(3190m、日本4位)より低い。

 

パーミッション

  • ここを起点に調査 https://tahoerimtrail.org/permits-and-regulations/
  • 一周するにはパーミッションが必要
  • セクション・ハイクは基本的にパーミッションは不要
  • Desolation Wildernessはパーミッションが必要。入山日、日数、最初の宿泊地の情報を入力。https://www.recreation.gov/permits/233261
  • Desolation Wildernessでは食料など匂いがするものを格納するのにベア・キャニスターが必要。それ以外の区間でも強く推奨される。
  • カリフォルニアで火を使うにはキャンプファイヤのパーミッションが必要。無料でビデオ視聴後にクイズに正解すれば取得することができる。https://readyforwildfire.org/permits/

 

 

日程・旅程

近隣の空港はReno(RNO)。MSP(ミネアポリス)からはデルタとサンカントリーの直行便が飛んでいる。しかし、直行便は時間が悪い。往路はSLC(ソルトレイクシティ)経由便を選択。復路は帰宅して荷物整理するだけ。溜まっていたデルタのマイルを消費。

  • 往路: 0830 MSP - 1025 SLC => 1145 SLC - 1213 RNO
  • 復路: 0630 RNO - 1149 MSP

今回も、9月上旬のレイバー・デイ(9月の第一月曜)の週に出かけることにする。レイバー・デイ以降は学校が始まる。フィールドが空いてパーミッションが取得しやすく、若干だが航空券やホテルが値下がりするが、まだ夏が残っている感じなのだ。 

 
 

9/1(日)

MSP => SLC => RNO。MSPは中部時間(CDT)、SLCは山岳時間(MDT)、RNOは西海岸時間(WDT)。それぞれ1時間の時差がある。

荷物はバックパックに詰めて機内持ち込み。きちんとパッキングすればザックの吹き流し部分をロールした状態ぐらいの大きさになった(約40L???)。これぐらいなら機内に持ち込んで上の収納庫(オーバーヘッドビン)に入れられる。日本みたいにサイズチェックゲージで測られることはないし、2個強引に持ち込んでいる人も多い。

RNOでレンタカーを借り、Tahoe Cityまで移動。

レンタカーはトヨタ・カムリ。最近の車はApple CarPlay標準搭載でWiFi接続する。USBの口はUSB-C、スマホ置き場に非接触充電が着いている。

市街のアウトドアショップ(ガス缶)、スーパーで買い出し(水、補給食、朝食、ウィスキー)。夏休みの最後ということで、市街は非常に混雑している。道は渋滞、駐車場は満杯。逃げ出したくなるぐらい。人が多すぎて、市街地ではパケ詰まりで通信ができない。

ホテルにチェックインして休憩。

湖畔の観光地ということでいえば、山中湖、河口湖、的な雰囲気。


 

Tahoe Cityのホテルは非常に高い。なんとか見つけたMother nature's InnというAirBnBのような無人宿。番号キーで入室する。番号は宿泊客ごとにリモートでセットされるのだが、それが正しくセットされていない。サポートに電話して、なんとか入室できた。

夕食は近くのバー。観光客向けの特徴のない食事とビールだけど高価!!


9/2(月)〜9/5(木)

PCT/TRTをハイキング(別記事)

9/5の昼頃に戻ってきて、ピザ屋で昼食。

その後、ホテル(同じくMother Nature's Inn)に早めにチェックインできたので、衣類を洗濯。

夕食は市街の違うレストラン。こちらも行楽地仕様。ただ温めただけのような食事を紙皿に盛っただけなのに高い!!!

9/6(金)

Lake Tahoeの周囲観光。まずは朝一に一番の景勝地であるエメラルド・ベイに。朝一ならなんとか駐車場に止めることができた。時間があるので、湾の先端のEagle Pointまでハイキング。戻ってきたら駐車場が満杯になるぐらいまで混んでいた。

 

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そこから先はタホ湖一周ドライブ。Tahoe City→Emerald Bayの流れで反時計回りに回ったのだが、これは、時計まわりのほうが良い。展望所がいくつか湖畔にあるのだが、反時計周りだと、右側通行の場合は湖畔から遠い側になるので、展望所へのアクセスが悪いのだ。

また、カリフォルニアとネバダの州境には、カジノやナイトクラブがネバダ側にある。

レイバーデイが終わったとしても、まだまだ夏で、どこも混んでいたので、早めに次に宿泊地に移動。ラッセン火山国立公園の近傍(といっても車で1時間ぐらい)のスーザンビルという田舎町。中華料理はどこに行っても美味しい。




 9/7(土)

ラッセン火山国立公園をハイキング(別記事)

その後、Renoに戻ってくる。周辺で大規模な山火事があり、煙で飛行機が飛ぶのか心配なぐらい。

往路の小規模な山火事

 

市街で夕食。Von Bismarckというドイツ風のバーだが、酒場っぽい雰囲気が好み。

Renoはカジノが盛ん。セブンイレブンにも空港にもスロットマシンがおいてある。




山火事

セブンイレブンのスロットマシン

その後、レンタカーを空港で返却。

徒歩で行ける空港近傍のホテルで宿泊。

9/8(日)

0400起床。0445ホテル発。0500から空港のセキュリティがオープンなのだが、けっこう混んでいる。


 

0630 RNO=>1149 MSP

節約のため、バス($2.5)で帰宅。

 

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