この記事では、PCT/TRTのEcho LakeからTahoe Cityまでの区間を3泊4日で歩いた記録を紹介する。
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Day1(9/2月:Labor day)
前日にLyftを予約。0800にTahoe Cityの64 Acres Trail Headに車を駐車。近くのTransit CenterからLyftに乗車。
Transit Centerは新しくできたバスターミナル。Tahoe City〜Truckeeのあたりを走るTARTという地域交通システムのターミナルとなっている。このTransit Centerの駐車場は夜間駐車禁止だが、64 Acres Trail Headの方は夜間大丈夫。最近できた駐車場なので、古い情報と混乱しないように。
Lyftに乗って1hのドライブ($111)で、Echo Lakeのトレイルヘッドまで。
エメラルド湾〜南の方に近づくと、ヨセミテの風景とよく似た、デソレーション原野の花崗岩の白い山肌が見えてくる。「懐かしいなー」というより「帰ってきたー」というような感情が出てくるのが不思議。この雰囲気が好き。
0900スタート。 まずは、ロワー・エコーレイク、アッパー・エコーレイクの周囲を歩く。この近辺はリゾート地になっていて、湖畔にコテージが建っていてボートで訪問することができるようになっている。のんびりしていてよい。
Tahoe Cityまでは48マイル=77km |
処理の方法 |
ハイキングスタート! |
Echo Lake湖畔のロッジ |
道標は豊富で迷うことはない |
そこから峠を超えていくとアロハ・レイクの湖畔に到着。高原の湖。白い山の手前に多くの島が浮かんでいる。水はとてもきれい!。このあたり一番の景勝地だ。日帰りでエコーレイクからやってくる人も多い。すれ違う家族連れがゴムボートを持っていたりした。キャンプで泊まってボートで遊ぶという夏休み最終日を過ごしたのだろうか?
石灰岩の岩山、9月なのに雪渓が残っている |
アロハレイク。青い水にいくつもの島 |
ちょうど昼時なので、ここで昼食にする。サッポロ一番の袋ラーメンを、Hyperlite Mountain Gearのフード・コージーで食べる。栄養追加のための乾燥野菜、カロリーブーストのためのオリーブオイルを追加。クッカーはFireMapleの熱交換器付きのポット+Soto Windmasterで沸かす。1分ぐらいですぐに湧く。
アロハ・レイクを離れ、いったん高度を下げ、Heather Lake、Susie Lakeの脇を通り高度をあげてGilmore Lakeの湖畔でキャンプにする。1600。
途中の水源とナナカマドっぽい植物 |
この水源(渡渉場)は枯れている |
Gilmore Lakeの南側はフラットで木もまばらでテントを張りやすい。Gilmore Lakeの水はきれい。他にも10張りぐらいのテントがあり、キャンプ好適地である。水はきれいだが、念の為フィルターして飲む。頭を流したり、タオルで体を拭いたり。季節のせいか、蚊もおらず、非常に快適なキャンプ地。
メインのスマホはStravaのログやFarOutの地図でGPSを使っているので、機内モードにしていても電池残量が20%ぐらい。サブのスマホは60%ぐらい残っていた。サブのログ取り用のGarmin Edge-530は70%残。InReach Mini2は80%残。3泊のあいだ、10000mAhのモバイルバッテリーで充電したが、半分ぐらい消費する程度だった。
Gilmore Lakeの眺め |
キャンプ地 |
ベアキャニスターはテントから離しておく。食事もテントから離れて |
夕食はアルファ米とアマノのドライフード。今日はビーフシチュー。アマノのドライフードは非常に美味。高いが山ではその価値がある。アルファ米は自宅で開封してスプーンと脱酸素剤を抜いてきている。ドライフードはパックから出さずにそのまま持ってきたら、高地でパッケージが膨らんでいる。最終日までパッケージがパンパンのままだった。パッケージの気密性の高さを示している。
これは3日目の夕食だが、アマノフーズのパッケージはパンパン |
食後は食べきれなかった行動食をツマミにウィスキーを少しだけ。食料とゴミはベア・キャニスターに格納してテントから100フィート離しておいておく。デソレーション原野ではベア・キャニスターは義務付けられているし、それ以外の地域でも強く推奨されている。
新月期で快晴。きれいな星空が見れたが、スマホの撮影では限界がある。早く寝ることにする。
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Day2(9/3火)
明け方は冷え込んで、5℃コンフォートのNature Hikeの寝袋、Nemo Insulated R=4.2のエアマット、ダウンジャケット、ダウンパンツで快適に寝れた感じ。脚や背中の前日の疲れはスッキリととれている。
朝食はマッシュポテト。塩分補給のために塩昆布を追加。これが非常に水を消費する。しかもパサパサで、味がくどくてすぐに飽きてしまう。なんとか一袋(4人前=440kcal)を完食。インスタントのコーヒーも飲むが、カロリーブーストのために、普段は入れない砂糖を入れる。
朝のGilmore Lake。静か |
トレイルにはトイレは設置されていないので、スコップで穴を掘って埋める。ペーパー類は埋めずにジップロックなどに入れて持って帰る。食品梱包ゴミ用のジップロックだけでなく、紙入れのために、厚手で不透明なジップ袋をストックしていた。ペットボトルの口につけて洗浄するためのシャワーを出すフタも持ってきていたのだが、今回は使わず。
穴はスコップの長さぐらいの深さ。トイレットペーパーはZipLockに入れて防水 |
0600起床。0730出発。
この日のハイライトは出発してすぐのDicks Pass。一晩寝て回復した脚で1hぐらいで峠につく。風が強い。北側は花崗岩の白い岩山で樹木もまばら。南側は、深くえぐられていて林の中に湖が続く。
北側、Dicks Lake |
南側、花崗岩の岩山 |
つづら折りの急坂を下りDicks Lakeは湖岸には降りず、Fontanillis Lakeの脇を通る。Fontanillis Lakeの水は非常に綺麗。しかしその先のMiddle Velma Lakeから水質が悪くなってくる。さらに、夏から秋は水が枯れていることが多く、地図の水場もあまり当てにならない。
Fontanillis Lake。非常に美しい |
Middle Velma Lakeで昼食。サッポロ一番。
Middle Velma Lake。すこし水が淀んでいて生物が棲んでいる |
そこから先は林間地帯を上がったり下がったり。展望もなく、水も心配。次の湖であるRichardson Lakeをキャンプ地の目標にしてひたすら歩く。
すれ違うハイカーの格好がPCTの人っぽくなってくる。UL系の人は10〜20%ぐらい。全体的にトラディショナルなスタイルの人が主流。
- UL系: ダイニーマのザック、半袖またはフーディ、半パン、ローカットシューズ、水筒はSmartWaterのペットボトル。ワンポールテントまたはタープ。
- トラディショナル: Osplayとかのナイロンのバックパック、長袖長ズボン、ミッドカットシューズ、ナルゲンやキャメルバックのボトル。自立型ダブルウォールテント。
それよりも、Garmin InReach Mini2の普及率が30%ぐらいあったこと。ラッセン国立公園でもラッセンピークに登る人は付けている人が多かった。今後はiPhoneの衛星通信にとって代われられるかもしれないが、衛星通信デバイスの重要性を感じた。私もInReach Mini2をレンタルして持っていっている。ロケーション付き定型文を家族に発信できるほか、イザとなればSOSボタンを押せばレスキューにつながる。
ひたすら、樹林帯を歩く区間が長かったので、これが本当に自分がやりたかったことか、考えることが多かった。次の水場と宿泊地を求めて、修行のように歩き続け、粗食を食べる。しかし、この日に距離を稼いだことで三日目の行動に余裕ができた。自分がやりたいのは、とにかく長距離を歩くようなことではなく、好きな景色を楽しみたい、できれば写真を撮りたい、というようなことに気づけた。テント担いでドライフードを食べるのはそのための手段で目的ではないこと。ただ歩くだけは、もうしないと思うけど、Kings Canyon のハイシエラで2泊3日のバックカントリーの旅に行くとか、ホイットニー山に登るためにテン泊で行動したりとか、そういうのは、相変わらずやってみたいと思える。
一方、自転車は、目的なくただ走るだけでも楽しい、というのは対比として興味深い。
結局、27km歩いて、Richardson Lakeでキャンプ。昼食時に満タンにした水は1.5Lほど消費していた。Richardson Lakeは低地の湖で水質はイマイチ。水辺には鳥、トンボなどが飛んでいて水中には魚も泳いでいる。水を汲んでみると透明だが、プランクトンなども目視できてしまう。Sawyerのフィルターを信じて飲む。味は普通で泥臭くもない。Sawyerの浄水スピードが遅くなってきたのでバックラッシュをするが、あまり改善しない。
夕食のアマノのドライフードがごちそう。コメの規定の160mLとドライフードの規定の150mLの合計の310mLを一気に入れると溢れる。別々に入れよう。道中に食べれなかった行動食も夕食時に合わせてカロリー摂取。
デソレーション原野の境界 |
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Day3(9/4水)
昨夜よりも暖かく、ダウンパンツは途中で脱ぐ。
朝食は相変わらずマッシュポテトだが、パサパサして口を通らない。若干残してしまう。
朝のRichardson Lake |
この日の行程は、デソレーション原野を出て、ベーカーパスを登り、いったん下ってPCTと離れ、ツイン・ピークスを超えていく。上りはあるが、そのぶん、展望が開けて、歩いていて楽しい。
デソレーション原野とは異なり、谷筋に水源が豊富。Richardson Lakeで汲んだ水を捨てて、谷水を汲む。地下水が水源なのか、冷えていて、淀んでおらず、美味しい。
水源。湧き水なのか冷えていて淀んでいない |
ベーカー・パスで早めの昼食。ベーカー・パスはトレイルヘッドになっていて、駐車場、簡易トイレ、ピクニックテーブルがある。ラーメン飽きた。
そこから、Twin Peaksに向かって上り。これまで来た道を振り返る。
ハーフドームっぽい形の山 |
野イチゴっぽい雰囲気 |
この区間では、Lake Tahoeの展望が得られる。
グラナイト・チーフ原野の入口あたりで、PCTの道とTRTの道が分かれる。TRTの人は東のTahoe Cityの方に向かって進む。
PCT/TRT分岐 |
ここで、Twin Peaksの頂上に向かう脇道がある。けっこうな急坂で、頂上部は岩がゴロゴロしていたので、完全に頂上には上がれなかった。東の湖方向、南のデソレーション原野方向、北のグラナイト・チーフ原野やPCTの方向の視界が開ける。
Day2の修行歩きの反省からか、景色が良かったからか、水が美味しかったからか、宿泊地が絶景だったからか、この日はとても充実したハイキングに感じた。
当初予定では谷筋まで降りて、水場があるところでキャンプしようと思っていた。しかし、途中の谷水を十分に汲めたこと、最終日の残り距離と水に余裕が出てきたことから、水場の近くではなく、Twin Peaksを降りたところの尾根でキャンプすることにした。過去の経験から2Lあれば一泊には十分だし、明日の行動は午前中の涼しい間だけなので行動中の水の消費も少ないはず。
眼の前はTwin Peaksを望む崖で、キャンプ地は尾根でフラット。絶景のキャンプ地。最後は水を求めて谷筋で泊まるよりもこういった絶景地で泊まりたい。テントの開口部は絶景が見れる向きで建てる。
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Day4(9/5木)
あとは帰るだけ。
朝焼けに染まる尾根筋。PCTの人はこの尾根を通って行くことになる。TRTの人は山を降りてTahoe Cityに向かう。
滝があるが水は汲めない |
64Acresの駐車場・トレイルヘッド |
朝食はマッシュポテトではなく、昼食用に準備していたラーメン。こちらのほうがまだマシ。
0600起床、0730出発。
坂を下って、平らな道を歩き、昼頃に駐車場着。車は無事(レッカー移動されていなかった)。
近くのピザ屋で昼食。生地が薄くてパリパリのイタリアンスタイル。
ホテルに早めにチェックインできたので、洗濯&部屋干し。さすが山服はすぐに乾く。
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日本とは岩質が違うのかな。荒涼とした風景は空気の乾燥感まで伝わってきそうですね。全部素晴らしい。
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