2025年2月8日土曜日

『TSMC 世界を動かすヒミツ』

友人の読書記録から興味をもったので。台湾人の筆者による半導体ファウンドリーのTSMCに関するビジネス書。歴史、業界、企業文化、経営方針などについて、当然、地政学についても、たっぷりと書かれている。台湾を守るものは軍事力だけではなく世界の要である半導体産業だ。繰り返し書かれていることに、TSMCのコアは技術集約型産業で比類なき競争力を獲得していること、そのエンジンが台湾人エンジニアのコストパフォーマンスにあることだ。台湾からみた世界情勢や日本・日本人についての記述も興味ぶかい。

技術に投資し人を鍛え競争に勝ち事業を育て報酬を払う、というサイクルを長期的に繰り返す、基本的だと思うが日本でそのような腰を据えた経営を実行できている会社がどれぐらいあるか?アイデア+プレゼンで一発当てたいみたいなのが多すぎて中身がないように見えることが多い。

 



過去の読書記録はこちら
https://cold-darkstar.blogspot.com/search/label/%E6%9C%AC
https://booklog.jp/users/nkon
http://park11.wakwak.com/~nkon/misc/book/ 

 

2 件のコメント:

  1. 読んでみたくなりました。日本はイノベーションより株主を大事にするあまりに半導体(も)衰退したのかなぁと。

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  2. 日本の半導体産業の凋落、直近の熊本での合弁会社についても触れられています。株主…については『ボーイング 強欲の代償』もよいと思います。

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