アメリカでは醸造免許の取得が容易で、小規模ブリュワリーがたくさん発生して、新しい挑戦が頻繁に生じている。ミネソタでもたくさんのクラフトビールが製造されている。寿司などとともに、日本食も浸透してきていて、日本酒もSAKEと呼ばれ(サキのように発音されることが多い)多く見られる。Japanese Rice Wineなどと言わなくても、Sakeで通じる。日本からの輸入だけでなく、アメリカでの醸造も多く行われ、とくに、オレゴン州産のものを見ることが多い。
ミネアポリス、アップタウンの居酒屋「moto-i」でも日本酒の小規模自家醸造が行われ、購入したり、店舗で飲むことができる。
一方、日本では、日本酒の酒造免許は、約70年にわたり新規発行を認めない状態が続いていた。2025年11月、森ノ醸造所が免許取得。日本の日本酒にも新しい風が入ることを期待したい。漁獲規制もそうだが、日本の保護政策は、産業全体の保護・発展よりも既存事業者の権益保護となっていることが多いように思う。政治が地元への利益誘導だったことの名残だろうか。
閑話休題
moto-iの日本酒メニュー。説明と、クラフトビールっぽくスペックが並べられている。
ABV は Alcohol By Volume、つまり度数。
SMV は Sake Meter Value で日本酒度のこと。プラスだと辛口、マイナスだと甘口。測定法的には密度を表しているが、辛口だと密度が低く比重計が沈むので日本酒度はプラス。甘口だと密度が高く比重計が浮くので日本酒度はマイナス。
SEIMAIBUAI は精米歩合を意味する。
精米歩合と日本酒度による指標は一般化しているが、それだけでは味の傾向は表せない。4タイプ分類が、味の特性を表して好みの酒を選ぶのに適していると思う。
この日はミネアポリスに出かける用事があって、ついでに居酒屋に寄ったのだが、その前の予定でお腹が満腹状態。日本酒を軽く飲んで、ツマミは唐揚げだけ。良い腹具合で再訪したい。
一杯目はKIMOTO DAIGINJO。酒米は山田錦。日本酒古来の製法である生酛造り、精米歩合40%の大吟醸。温燗で供される。日本で飲むのと同水準の本格的な味。ただし、1合で$20=3100円+チップ18%。
つまみは唐揚げ。こちらは、アメリカでよく見かける、一口サイズのカリカリタイプの唐揚げ。味付けも単調で、小片で水分が飛んでしまってジューシーではなく、クリスピーに振り切っている。おそらく、それがアメリカ人の好みなのだろう。写真は扉参照。
また、日本酒の中では、にごり酒がアメリカでは人気。小さい酒屋だと清酒は売っていなくてもにごり酒だけは売っていることがある。見た目の珍しさから、にごり酒が先に輸入され、それが定着したのだろう。
2杯目はCALL TO MEND。 キレの良い冷酒。こちらも味は高水準。Unpasteurized(非殺菌)と書いてあるので生酒。グラス(1合)で$13=2000円+チップ。物価高、円安、チップの高騰(この店では18%が標準、だいぶ良心的)で、アメリカでの外食は非常に高く付く。
店自体も、よくあるアメリカのバーみたいに大音響で騒がしい雰囲気ではなく、暗くて落ち着いた雰囲気。アメリカのTVだけでなく日本のTVも流れている。無理した日本風でないのも良い。看板だけはブレードランナー的アジアン風味?
今回は満腹だったため、あまり食べ物を食べなかったが、ラーメンやその他ツマミも豊富で居酒屋として良い。
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