2023年12月27日水曜日

フロリダでロケット打ち上げを見る

クリスマス休暇、ミネソタは暖冬で雪もなく、単身赴任者はすることがない。バケット・リストにある、ロケットの打ち上げを見にフロリダに行ってきた。ついでに日程を追加してフロリダ観光、キーウェスト、エバーグレーズ国立公園にも訪問。


Falcon9打ち上げ

 

 


計画&初日(12/22金)

当初計画では、12月24日にULA(United Launch Alliance)がVulcanロケットで、AstroboticのPeregrine月探査機を打ち上げる予定だった。それをメインターゲットに打ち上げ遅延のマージンを兼ねて他の観光の予定を組み入れて計画。ホリデーシーズンなので、飛行機とホテルの予約が埋まるのが早い。ギリギリまで粘って1ヶ月前ぐらいに日程を決定して、飛行機、ホテルを予約。Valcanロケットは処女航海で打ち上げが予定通りにいかないリスクは大きかったが、仕事を休めそうな日程や、予約時点で確定してた他の打ち上げ日程の情報などから、リスク込みでの計画。地球周回のロケットは打ち上げチャンスが広いが、月に行く場合は地球と月の関係などから打ち上げウィンドウが限られ、かなり前から日程が決まっている。また、初号機であることから、日程は慎重に決められていた。

しかし、12月10日のWet Dress Testという燃料注入を含む最終テスト(低温の液体酸素を注入するので、白い霜が広がる)が地上管制システムの不具合により完了できなかった。それによって、Valcanロケットの打ち上げは1月8日に延期。着陸地点の月の日照の問題(着陸予定地点が昼、つまり上弦の時期に到着したい)などで、打ち上げウィンドウが限られるのだ。


気分を切り替えて、観光を楽しもうと、荷物のパッキングを軽量にして、観光予定を計画し、フロリダに降り立つ。念のため、と打ち上げ情報サイトを見てみると、その日12/22(金)の夜中に、SpaceXがStarlinkをFalcon9で打ち上げるとのこと。望遠レンズ持ってきてないや…。



 

慌てて情報収集。しかし、急に決まったみたいで、詳細情報がどこにも上がっていない。

打ち上げ場所は、フロリダのケープカナベラルのSLC-40。 近くにあるケネディ宇宙センター(KSC)のビジターセンターでは打ち上げ見学ツアーなども行っていることから情報収集がてらに訪問。しかし、インフォメーションの職員は館内の案内はできるものの打ち上げ情報については全く知らない。KSCをいろいろ見学。実物展示が少なく、模型や映像展示が多い。テーマパークみたいで、あまり迫力がなく、やや肩透かしである。スペースシャトル・アトランティスの実物展示は見ておくべき。

本当に打ち上げるのかどうか半信半疑である。そうやって映像展示の順番待ちをしている間に、ダメ元でTwitter(X)の@SpaceXを見てみると夜に打ち上げるよ!との投稿がつい10分前に。映像展示を切り上げて見学地のロケハンに向かう。 



打ち上げミッションは、SpaceX Falcon9によるStarlink6-32という23個の衛星を打ち上げるもの。Falcon9は一段目を逆噴射着陸させて再利用する。今回用いられるB1058はこれまで18回打ち上がっていて、今回が19回目とのこと。オービターの再利用を目的としたスペースシャトルは大気圏再突入しなくてはならないため費用が高騰して中止となったが、一段目を大気圏中で回収して再利用することに解があったとは興味深い話だ。




打ち上げ地点のSLC-40はメリット島の海岸沿いにある。KSCからそちらの方に向かおうとすると、すぐにゲートがあり、関係者以外は通行止め。あきらめて、いったん岸にもどり、北側の橋を渡り、自然保護区側からのアプローチを試みる。こちらもゲートがあり通行止め。距離や展望などを検討したが、北側の橋から見ることにした。橋を渡ったところに駐車場があり、橋も歩道があって安全だ。見晴らしもよい。

もう一つの候補として、メリット島の南側のココアビーチがある。SLC-40からの距離は、今回の橋とココアビーチは同じぐらい。ロケットは地球の自転を活かすため、東に向かって飛ぶことが多い。橋から見た場合は視線奥方向に向かって飛ぶが、ココアビーチからだと横方向に飛ぶように見えるはずだ。それらの条件を考慮して観望地を選ぶのが良いだろう。


 

観望地のロケハンを終えて、夕食後、ホテルで待機。最新情報を確認すると、予定では11pm打ち上げ、事情によっては3amまで延期。それで無理なら翌日の11pm-3amのウィンドウで打ち上げとのこと。ホテルから観望場所までは車で50分ぐらい。各種カウントダウン情報をウォッチしながら待機。最終的には12:33打ち上げが濃厚になったので車で出発して、現地でネットライブを見ながら準備。橋から射場は遠く、手持ちの機器ではよく視認できないのでネット中継が頼り。橋には、他にも同様に打ち上げを見ようとしている人たちがチラホラ。

 

ライブ中継によるとL-38minで打ち上げが確定。燃料と液体酸素が注入される。ライブ映像には注入された液体酸素でロケットに霜がついている様子が映し出される。

 

 

こちらの準備としては一眼レフに汎用ズームで手持ち。スマホは自撮り三脚に固定して定点動画撮影。動画にはライブ中継の音声が取り込まれるようにしてみた。


 ロングバージョンはこちら


 









ネットのライブ中継は数秒の遅延があり、カウントダウンが「5」ぐらいの時に、目視でロケットへの点火が見えた。あわてて画角を調整して撮影タイム。天候が曇っていたこともあり、ロケットはすぐに雲の上に。雲の切れ間から一段目の燃焼を見送る。ネット中継で1段目の燃焼完了、切り離し、二段目の点火を確認して、撤収。後で確認したところ、1段目は無事に大西洋上のドローン船に着陸したとのこと。

さらに後日談だが、この1段目は、海上を運搬途中に壊れてしまったので、今回が最後の打ち上げとなってしまった。

 


二日目

すでに最大の目的を達成したので、のんびりと観光。午前中は水族館。訪問先に水族館があれば、行くことにしている。ファミリー向けの雰囲気だが、太平洋、大西洋、メキシコ湾、インド洋などに分けて世界の海を展示するスタイル。とくに大西洋の魚は、いつも見る太平洋の魚とは雰囲気が違っていて興味深い。一体はICONパークといって、ファミリー遊園地のような感じになっている。定番の逆バンジーもあったが、かなり巨大で打ち上げ距離も高い本格派だった。


 

午後はビーチ散策。メリット島南側のココアビーチ周辺を。北側にロケット打ち上げのケープ・カナベラルが遠くに見える。上述のとおり、ここからだと大西洋に向かって飛んでいく様が見えるだろう。海はあまりきれいな感じがしないが、大西洋からの波や風が強い。ビーチハウスでカクテルを買って、しばらく波を眺めながらくつろぐ。

 




夕食はオイスター。翌日&翌々日はクリスマスでレストランが閉まる可能性が高い。せっかくのフロリダなのでシーフードに。

 



三日目

ロケットの打ち上げが延期になるかも、と予備日を確保していたが、目標達成したので、予備日は観光としてユニバーサル・スタジオ・フロリダに。ユニバーサル・スタジオ・フロリダとユニバーサル・アイランド・オブ・アドベンチャーが連接している。今回はベーシックなユニバーサル・スタジオ・フロリダのみ。ハリーポッターなど、日本とよく似たアトラクションもあるが、内容は異なっており、日本と重複する部分はほとんどなかった。

ほぼすべてのアトラクションが面白かったが"The Bourne Stuntacular"について。『ボーン・アイデンティティ』シリーズをもとにしたスタントショー。背景ディスプレイ、セットへのプロジェクションマッピング、役者の演技、4D的演出(炎・風、クレーンなど)が組み合わさって、これまでにない、面白い体験だった。



四日目

移動日。オーランドからキーウェストまでは6-7時間のドライブ。途中のマイアミまでで3.5時間ぐらい。天気はあいにく午後から雨。マイマイまでは晴れていたのでビーチを散策。しかし強風。観光客がたくさんいたが、ビーチに入る雰囲気ではなかった。しかし、浜辺の町並みは、リゾート地らしく、どこか浮かれた、猥雑な感じが印象的だった。

この風と時化が、Falcon9の一段目を消失(上述)させたのかと思うと、非常に興味深い現場に遭遇した。




 

マイアミからキーウェストまではUS-1のドライブ。一本道で単調だが、海の近くを走るのが心地良い。ハイライトは7miles bridge。駐車場もあり観光地ぽくなっている。旧橋が歩道として整備されており2マイルぐらいは歩ける。あいにくの雨だが、観光地らしくて良い。


 

キーウエストは、とても高価なリゾート地。しかもクリスマスなのでレストランはほとんど閉まっている。コンビニでビールと夕食と朝食を買う。

通ってきたUS-1(国道1号線)の始点がキーウェストにある。終点は、メーン州のカナダとの国境。


 

アメリカ最南端もここにある。実際にはプエルト・リコがアメリカ統括地なのでそちらが南なのだが、本土としては最南端。


 

 

5日目

前日の雨も止み、良い天気。アメリカ最南端などを見学。さらに7miles bridgeの写真を取り直す。オーランドまで戻るのは遠すぎるにで、マイアミからのフライト。そうやって稼いだ時間で、エバーグレーズ国立公園に。

 



 



エバーグレーズ国立公園

フロリダ南部にある国立公園。これで国立公園は18個目。一体が広大な湿地帯。ゲートをくぐってドライブウエイで先端のフラミンゴ・ビジターセンターまで。遊覧船もあるが、周囲をハイキング。

港の中にマナティがたくさん泳いでいる。


 

トレイルもあるが、湿地帯であり、基本、ぬかるんでいたりする。カヌーを借りるなどするのが良いかもしれない。






パッキング

今回は望遠レンズや三脚を持っていかなかったので、ExPedのWhiteOut 30Lに詰め込む。今後の振り返りのためにメモ。きちんと記録して、使った・忘れたなどを振り返って改善することが、小型軽量化には大切だと思う。

  • 海水浴セット(使わなかった)
  • 着替え4日分。パンツ4日分+半袖4日分+長袖1日分(ミネソタ用)。寝巻き&行動着の半パン。SeaToSummitのスタッフサックに。
  • パックダウン(ミネソタ用) 
  • サンダル(ホテル&ビーチ用)。トレランシューズ(それ以外)
  • 折りたたみ傘(骨が折れていたので買い替えなければ)
  • 私用パソコン
  • 一眼レフ(15-85の汎用ズーム)+充電器。そんなに取らなかったので充電器は不要だったかも。
  • サニタリーパック(100均のポーチ)。日焼け止め、歯ブラシ、割り箸など
  • ガジェット類(100均のポーチ)。充電器、ケーブルなど
  • サングラス
  • 帽子
  • 長袖夏用フーディ(写っていない)
  • 行動用にExPedのリュックになるスタッフサック
  • 行動用にHigh Tail Designのファニーパック1.5

とくにユニバーサルスタジオでは、ライドに乗る時にリュックを預けなければならなかったので、ExPedのバッグ+一眼レフは完全に余計だった。しかしファニーパックは着用しての登場が可能なので非常に利便性が高い。運転中に必要な小物をまとめておくためにも有用。防水なので雨が降っても大丈夫。買ってよかった。




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