前にGrand Teton NPに行った時に、山岳風景の美しさを再認識して以来、Glacire NPが訪れたい所のリストに並んだ。今年はコロナ開けで大変混んでいる、入場規制がされているというニュースを見て諦めかけていた。しかし、友人が行って来たという話を聞いて調べてみると、ちょうど9月のレイバーデーの休日近辺に道路規制チケットの空きがある。飛行機、ホテル、レンタカーなどを予約して行って来た。
- 長いです
- 写真をクリックすると拡大されます
- Stravaのリンク先にもメモや写真、ルート詳細情報があります
計画編
前述のとおり、計画、手配したのは7月上旬。訪問は9月上旬のレイバーデーの連休にかけて。
2021年はコロナ開けで人出が多く、メインの観光道路であるGoing To The Sun(GTTS) Roadは夏の期間中(レイバーデイまで)はチケット制。1枚のチケットで1週間有効。 ただしチケットチェックされるのは朝6時以降。後述のとおり、夜明け前に出かけなければ、そもそも駐車場が確保できないので、チケットを見せたのは初日のみ。
メインのGTTSロードの西にWest Glacireという比較的おおきな門前町。東にSt. Maryという集落。St.Maryの北、Many Glacier地域の入り口にBabbという集落がある。いずれも非常に小さな集落でモーテルが数件。公園の南東にはEast Glacire Parkという街があり、ここは比較的大きそう。メインのアクティビティがMany Glacire地区およびLogan Pass周辺のハイキングであり、東側からの方がアクセスがいいこと、また、朝日を見れる(どうせ駐車場確保のために早朝出発になる)ので、東側に宿をとることにした。予約が空いていなかったり高かったりで、結局、ネットで探したHooks Hideaway Motelに。
飛行機はMSP⇔FCA(Kalispell)のデルタ直行便が飛んでいる。KalispellからWest Glacireの入り口までは車で40分ぐらい。レンタカーも予約があまり空いていなかったがDollarレンタカーで予約が取れた。
装備
早朝、山間部での気温は摂氏ひと桁。
- 長袖アンダー+フリースを基本に、朝夜はパッカブルダウンジャケット。防風用にレインウエアも持参
- 山用パンツを基本に、予備に(星見時など)冬用パンツ
- トレッキングシューズ+ソックス
- 36Lザック。カメラ+15-85+PLフィルタ(汎用)+24+ソフトンフィルタ(星用)+70-300(動物用)+三脚(星用)。
- 自分用のパソコンは持って行ったが使わなかった。会社のパソコンは、レイバーデーの休日でもあるので持って行かなかった。 オフはしっかり休もう
初日
FCA(Kalispell)到着は1300すぎ。Dollarは安いので空港内にカウンターが無い。シャトルバスで営業所まで行くスタイルがだ、シャトルバスが来ていない。どうやら自分で電話して来てもらわなければならないようだ。
車をピックアップして40分ぐらいでWest Glacierから公園内に。東側は街が無くビールが手に入らないので忘れずに西側で買っておくこと。上述のようにGTTS Roadのチケットチェックと年間パスを提示して園内に。西側のLake McDonaldは広々としてリゾート感がある。そこから登り始めて、The Loopの折り返しからが、The Wallと呼ばれる中央の山壁に沿った山岳道路。夕方にさしかかっていて車も停められるので写真をとりながら。
The Loop |
ピークのLogan Passから、脚ならしにハイキング。
Highline Trail
Logan Passから、The Wallの岸壁をトラバースするように付いている、もっとも人気があるトレイル。全部を行っている時間が無いが、近場を往復。Logan Passにはビジターセンターもある。
東側におりながら、写真を撮りながら。
Sun Point
Sun Pointは東側のLake St. Maryに突き出した岬。東側に視界が開けていて朝日を見るのに最適だろう。訪れたときは夕方なので西側のThe Wallの向こう側に日が向かっていくところ。
東側 |
西側 |
ss=1/5 |
ss=1/1000 |
ホテル
西側のSt.Maryの街に出てきたのが1930ごろ。DSTなのでまだ明るく、夕日には早い。公園の中は期待していなかったがSt.Maryの街では携帯がつながり、そこでナビをセットすればいいだろうと思っていた。しかし、St.Maryでは携帯が繋がらない。街というより集落。雑貨屋が1軒、食事、食材というよりスナック程度しか置いていない。他には小さいレストラン、ガソリンスタンド、モーテル。集落を離れると一面の牧場。このままでは飢え死にするので、雑貨屋で、夕食、朝食、行動食のスナックを購入。Babbの街に移動しても似たようなもの。1軒の雑貨屋。LTEのアンテナは立つが速度が遅く、ナビは相変わらず役に立たない。雑貨屋の人に場所を聞いてホテルに向かう。
Babbの街からカナダにつながる幹線道路を数マイル、さらに牧場の中のグラベルを数マイル入っていったところに、Hooks hideaway motelがある。今年できたところで建屋は新しい。部屋の中にはダブルベッドが2つ、シャワー、暖房。共用部分に冷蔵庫、電子レンジとコーヒーサーバー。夕方しか管理人はいないので、朝は宿泊客がセルフサービスでコーヒーを淹れる。
星景
幸運なことに月が暗い時期。残念ながらオーロラは出現しなかった。Glacire NPは星空の暗さでも有名。夜の公園に行って山岳星景や、湖に映る星景にもトライしたかったのだが、公園まで+公園内部での夜道ドライブにリスクがありそうだったので、ホテル近傍での撮影に。ホテルは牧場のド真ん中にあって周辺に人家は無い。すこし丘を上がれば完全な星空。
レンズはSigma 24/1.4 art+ソフトンフィルタ。
夏の大三角。星が多くて星座がたどりにくいぐらい。
f/1.4 15s ISO3200 |
左上にカシオペア座。左下はペルセウス座で二重星団やMel20。カシオペアからペルセウスにかけて秋の天の川がよくわかる。右側はアンドロメダ銀河。空が暗く露出をかけれているのでいつもより光芒が大きく写る。
f/1.4 15s ISO3200 |
射手座・銀河中心方向。秋のこの時間は天の川銀河が立った状態になるので見栄えがする。
f/1.4 15s ISO3200 |
二日目
Grinnell Glacire Trail
ナショナルパークの朝は早い。ハイカーの一日は駐車場確保から始まる。
0545起床、コーヒーとバナナを食べて0600出発。 Many Glacireのアクセス道路は工事中でグラベル。この時点ですでに車が連なっている。Trail headには0640ごろ到着したが、この時点ですでに満車。予め調べておいた、すこし先のSwiftcurrent passの駐車場に車を停めて戻る。湖畔まで戻ったころにちょうど日の出。DSTなので0655ぐらい。
通常、一眼レフには15-85にPLフィルタを付けたものを常用しているのだが、今回は、朝日の素晴らしさに感動したのと、天気も良いので、いつもは星用に使っているSigma 24/1.4 artをメインで使うようにしてみた。画角の自由度が狭いので記録用には使い勝手が悪いのだが、空気まで写すといわれる素晴らしい描写。山肌の立体感や高原の空気感を残したいと思って。
ホテルを出る時 |
最初は林の中を通るが、じきにLake Josephineの湖畔を通るようになる。
Lake Josephineを半分過ぎると湖畔を離れて高度を上げだす。
朝の静かな湖をMooseが散歩していた。とても詩的で素晴らしいが、24mmでは倍率が足りない。iPhoneでは塗り絵みたいになってしまった。モタモタして望遠レンズを取り出すのが遅れてしまったら、Mooseが岸に上がって無念なことに。
斜面の切通しにそってどんどん高度を上げると、眼下にLower Grinnell Lakeが見えてくる。氷河湖らしく緑色がかっている。正面には、The Wallの岩壁。中腹にはSalamander Glacier。そこから細い滝が落ちている。崖の上の見えない部分が目的地であるGrinnnell GlacierとUpper Grinnell Lake。UpperからLowerに至る崖を滝がつないでいる。とても絵になる光景を角度をかえて眺めながらのハイキング。反対側のGrinnell Mt.の中腹遠くに、Mountain Goatの群れ。このときは望遠レンズに交換したものの、それでも豆粒レベル。見返すとLake Josephineが遠くに見える。スタート地点はその更に遠くの尾根の向こう側。
Lower Grinnell Lake |
The Wallの中腹にあるのがSalamander Glacier |
奥に見えるのがGrinnell Glacire。そこから流れ落ちる滝 |
Mountain Goatの群れ |
手前がLower Grinnell Lake、奥がLake Josephine、さらに遠くにLake Sherburne |
拡大すれば、トレイル上にハイカーが見える |
トレイル上にBig Horn Sheep |
最後まで斜面をジグザグに急登したあと、Grinnell Glacier & Lakeに出る。山の上に隠された秘境。派手な山岳景観から急に落ち着いた雰囲気になる。だいぶ氷河が小さくなっているので、近くまで歩いて行って、気に入った場所で休憩。ときどき氷河が割れるバキバキという音がする。
日が登って光の入り方が違い、復路は全く違う景観を見せる。
朝の水鏡と同じ位置、同じ構図 |
Swiftcurrentの駐車場に戻ってきて、雑貨屋で昼食。アイスもある。
一般ハイキングコースだが、高低差もありなかなかタフである。しかし、それを忘れさせる景色。非常に人気が高いルートなのは納得だし、挑戦する価値はあるだろう。
Red Rock Fall
けっこう疲れもあったのだが、時間も余っているので、平坦イージーコースを散策。
三日目
Swiftcurrent Mt.
Logan passを越えてThe Wallの西側のトレイル。Highline trailとThe Loopがある。距離はThe Loopの方が短いがずーと上りなので、The Loopのほうが難易度は高い。駐車場も少ないので争奪戦。0500起床、0640駐車場着の予定で車を走らせる。GTTSの西側を下っていると、対向車がゾロゾロとLogan passまで登ってきている。The Loopの駐車場は最後の一つに滑り込み。
GTTS roadを通す時に、金はかかるが景観へのインパクトが少ないThe Loopのルートを選択したことが誇らしげに書かれている。目の前の損得ではなく大局的な判断ができるリーダーは素晴らしい。
朝食のクッキーとジュースを食べて出発。太陽はThe Wallの向こう側だが、目の前のHeaven Peakが朝日を浴びて表情を次々と変化させるのが良い。
Stravaのデータを見るとわかるが、The Loopの駐車場からGranite Park Chaletまでほぼ直登。
この日は南西からの風が強く、空気が霞んでいる感じ。西海岸の森林火災の影響なのだろうか。
Chalet近辺ではなんとLTEが入る。簡単な売店もあるが1200〜で品揃えもイマイチなのでアテにしないほうがよい。
予定ではここからHighline trailの方に行きGrinnell glacire over lookに行く予定だった。しかし急遽、Overlookのトレイルがクローズとのこと。ウワサによれば、風・霞で道迷いがあったみたい。
当初、キツすぎるだろうと思って避けていたSwiftcurrent Mt.の方に。Swiftcurrent passまでは緩い上りだが、底から先は、吹きっさらしの山の斜面をジグザグに登る。富士山のような感じ。風が非常に強く飛ばされれそう。帽子と一眼レフはリュックにしまう。
中央奥がSwiftcurrent Mt.頂上に小屋 |
この日、遠景が霞んでいる |
1hほどの急登のあと頂上。一般ルートのトレイルでの園内最高地点(2571m)。やはり山頂というものは気分が良い。
西側(右側)はU字谷で900mぐらい切れ落ちていてすごい高度感。
右側崖 |
下り、脚を傷めないように注意して降りる。山頂付近は強風のせいもあり体感温度はかなり寒かったが、外界は暑い。単調で脚も疲れるし無口で残り距離をカウントするような感じ。
ハイキングでの獲得標高を更新。さすがに疲れたので、この日は2本目は無し。周囲をドライブする。
レイバーデーの週末ということもあり、GTTRの駐車場はどこも満車。来場者たちも駐車場がなくてイライラしている感じ。今季チケット制を導入したしシャトルバスも走っているがあまり有効打となっていないようだ。外界の駐車場を整備してパーク&ライドを推進、片道トレイルを整理してシャトル利用率を上げていくようなのが良いのではなかろうか。
四日目
朝、ダラダラしていても駐車場が満車になるだけ。日の出をLogan passで見て、Highline trailをあるく計画。当初はHidden Lake Glacireに行きたかったのだが熊多発ということでクローズ。天候は強風&曇り。なんとかご来光的なものを見ることができた。昨日に引き続き霞。おかげで?薄明光線が美しく入る。
Kalispellまで戻り、レンタカーを返して空港に。
今回の旅行で、初めてもまともな(スナックではない)食事。
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