ネットで本書が紹介されていた。
2ヶ月でヤレみたいなスケジュールが降ってきて(できるわけがない)、応急処置に応急処置を重ねてなんとか6ヶ月後ぐらいに対応できて、最初から6ヶ月あればもうすこしマトモな手段が取れたな〜と反省するまもなく、緊急対応が休むまもなく連続する、というような感じはよくあることだろうか。やっている本人は「これこそがアジャイルだ」と思っているけど、メンバーは疲弊するばかり。なんとかリリースは出すけれど実現されるものは年初計画とはどんどん離れていく。考課は推して知るべし。
本書で提唱する計画は、日数で見積もるのではなく、相対的なポイントでユーザーストーリーの大きさを見積もり、それに速度計数を掛けてイテレーションの計画を立てる。イテレーションの期間に遂行できるポイント量を割り当てて実行する、ということでもある。やってみると、これがよく当たる。スケジュールの精度が良く、将来の見通しが良くなり余計な仕事が減る。計画に用いるパラメータの具体的な計算手順や、ケーススタディも充実していて、分厚いがそのぶん実践的な本である。
自己流で工夫したやり方を重ねるよりも、外部で実績がある方法をまずは試して取り入れてみよう、となるかどうかは職場の雰囲気によるだろう。スケジュール管理・プランニングも、電気回路理論などの固有技術と同様に、理論や方法論があり、自己流の経験で苦労するよりも学んで身につけることができる技術ということを、まず理解しよう。だれしも、リンゴが落ちるのを観察して万有引力の法則を自分で苦労して再発見したくないだろう。
過去の読書記録はこちら
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