2025年11月23日日曜日

オーロラ写真

ミネソタでの活動の一つにオーロラを見る、がある。本ブログでも何回か記事にしている。

磁極がカナダにあるので、北米大陸では低緯度でも比較的オーロラが見やすい。とくに、今回の北米在住中は、太陽活動の第25周期にあたり、たびたび、大規模なオーロラを見ることができた。

それを写真に残したいと思って、何回も写真撮影にトライしているのだが、なかなか、イメージ通りにいかないことが多い。デジカメで取るよりも、最新の高感度スマホの方がきれいに写ったり。

本記事では、オーロラの取り方についての試行錯誤を説明する。

 

 


 

 

 

機材

カメラ: CANON EOS-70D。すっかり旧式になってしまったミラー式、APS-Cセンサのデジタル一眼。この世代だと、最高ISO12800まで使える。ISO3200ぐらいまではノイズを感じないが、 それ以上だとノイジーに感じることが多い。

いいかげん、買い替えたいのだが、最近のやつは高価すぎるし、レンズも買い替えとなるので、躊躇しているのだ。息子が、買い替えるなら今のやつを寄越せ、と虎視眈々と狙っている。 

レンズ: Sigma 24/1.4。星景撮影用の明るい単焦点。APS-Cセンサにつけると38.4mm相当で、全然広角ではないのが残念。もう一つ、EF-S 15-85も持っているのだが、15mm側でF/3.5なので、F/1.4に比べるとかなり暗くなってしまうのがデメリット、また、シャープさも劣る。そんなわけで、画角には我慢してSigma 24/1.4を星景用に使っている。

ソフトフィルタ: 普通に写真に取ると、明るい星も暗い星も1画素の点になってしまって、星景写真としては寂しくなってしまう。よく使われるのがソフトフィルタ。明るい星を広くにじませて、見栄えがするようにしてくれる。一方で地上の景色やオーロラのシャープさなどは滲んで見えてしまうというデメリットもある。

三脚: トラベル用のアルミ折りたたみ三脚を使用。カメラの側には、Peak Design Captureの台座をつけている。これがアルカスイス互換なので、普通の三脚にも装着可能となる。

Magic Lantern: 改造ファームウエア。EOS-70Dはインターバル撮影の機能が無い。外付けレリーズでインターバルタイマーする事もできるが、Magic Lanternをインストールして、そのインターバルタイマ機能を使っている。 

 

設定 

  • オートフォーカスはMF。ライブビューでX10表示して、星を利用してマニュアルでフォーカスをあわせる。
  • 露出。F/1.4, ISO1600, 10sぐらいで、オーロラは明るく色豊かに映る。ただし、オーロラは動いているので、長い露出だと動きがブレて映ってしまう。
    • ISO3200、5s→ノイズ感が出てくるが動きがあるときは、これぐらいの方がブレない。
    • ISO3200、2s だと若干暗く、あとで補正したほうがいい感じ
 
ホワイトバランス。これが一番むずかしい。
  • 5000Kぐらいだと、夜空の色が一番ナチュラルな黒色になる。しかし、オーロラの緑色は黄緑色にくすんで見え、赤色は茶色に見えてしまう。
  • 4000Kぐらいにすると、夜空の色が青くなり、かっこいいがかなり不自然に見えてしまうかもしれない。しかし、オーロラの緑がきれいに見え始める。一方、オーロラの赤は暗くなる感じ。
  • 3000Kぐらいにすると、4000Kよりも、夜空はさらに青くなり、赤色がさらに暗くなる。

最近は、4000Kで撮影して、編集で色を強調するのがいいのかも、と考えている。

4000K。撮って出し。空はかなり青いが、赤がくすむ。緑はよく出る

その写真をトーンカーブで調整。彩度を上げて、見栄えがするようになったが、不自然でもある。


色温度2000Kぐらい。見栄えはするが、色が人工的すぎるように感じる


ソフトフィルタの有無 

上述のソフトフィルタの効果について、ほぼ同じ写真を比較。

 

ソフトフィルタ無し。星が小さい点に見える

ソフトフィルタ有り。星が大きく拡大されるが、地上景やオーロラの筋がボヤける

画角 

とくに大規模発生時は、天頂から降り注ぐようなオーロラを見ることができ、とてもダイナミック。しかし、写真に撮ると、放射状に広がって見えるが、どうもぱっとしなく見えてしまう。それよりは地平線の風景が映って、 上から降り注いでいる感じの方が、見慣れているというか、収まりがよいように感じる。

 

天頂から降り注ぐオーロラ。見上げると大迫力なのだが、この画角の写真では伝わりづらい


タイムラプス

インターバルタイマを使う理由の一つがタイムラプス動画を作りたいから。

ただし、上記のように、見栄えがするように仕上げたい場合、カラー補正が必須になる。タイムラプスの場合はすべての静止画にバッチ処理で行いたいのだが、今日はギブアップ。有償の天体画像処理ソフトなどがあれば、高機能で多数のデータをハンドリングできるのだろう。GIMPでいろいろやろうとして調べて見たが、難しすぎた。

 


 

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