2026年6月27日土曜日

ナフサが足りない(レアメタルも足りない)

ナフサが足りない。そこから派生する樹脂・塗料・医薬品原料など、あらゆるものが連鎖的に不足している。直接目に見えるガソリンだけは補助金を注ぎ込んで誤魔化している。

「大本営発表」によればナフサは足りている、とのことだが市場では枯渇している。民間企業がそれに対応して石油原料節約パッケージを開発したら「政府公式見解に反する」と恫喝されてしまう。買って応援しよう。

住んでいるマンションの大規模修繕も行っており、資材不足や高騰が痛い。 

 

 

このような世相をタモリ氏が「新しい戦前」と表現した。そこから更に事態は進み、戦争とはこういうふうに始まるものだ、と実感している。

 

私は医療機器関係の仕事に従事しているが、その現場でも、ナフサ由来原料の枯渇は極めて深刻だ。医療現場では、感染管理のための使い捨ての部材として、フィルム、チューブなど樹脂由来のものが大量に使用されている。しかし、原材料メーカーからの供給が滞ってきて、材料調達のための設計変更をすることが日常の業務となっている。とくに医療機器の場合、安全性に関する許認可がある。似たような代替品に変更することでも数ヶ月〜1年もの変更期間がかかり、現在の材料が枯渇しても、すぐに変更することができない。変更の間は供給制限となってしまう。

この医療へのしわ寄せは、現在の自民党政権の医療費削減政策ー高額医療費の削減やOTC薬の保険給付の見直しなどーと合致している。さらに、公的保険の削減とセットで民間保険に流そうという動向と歩調をあわせている。

アメリカでは公的保険が乏しく、民間保険に頼らざるをえず、医療費の高騰が深刻な社会問題となっている。病気になっても病院には行けずにスーパーでビタミン剤を買って済ます。保険に入っていたとしても病院での一時金の立て替え払いを払えないので受診をあきらめる。骨折したら破産。勤務先の企業保険に入らないと病気の家族を養えないので高齢になってもリタイアできない。すべて、アメリカで実際に目にしたことだ。日本もそのようになろうとしている。保険会社(とくに外資)は儲かるだろう。

一方、アメリカでは行き過ぎた資本主義への反動としてNYCのマムダニ氏など民主社会主義的な動きも起きている。 行き過ぎた資本主義についてはこちらの記事も参照。

 

ナフサショックで影が薄れてしまったが、レアメタルショックも深刻だ。

大本営発表では、日本深海に資源は豊富なのでそこから掘ればいい、と言っている。それらの資源は数十年まえから存在が確認されているが、技術的・コスト的な観点から未だに現実化していない。誰かが一声かけただけでどうにかなる、というものではない。

代表的には、レアメタルは、モータに使われる磁石に使われている。モータメーカーは大企業が多く、レアメタル依存リスクは十分に承知しているので、原材料ストックもあるし、すでに非レアメタル磁石の開発を進めていた。しかし、このような激しいショックは想定外のものだ。 

他に影響が深刻なものが金型。金型とは、製品の形を打ち抜いたり曲げたりするために使われるもの。非常に硬い鉄で作る必要があり、添加物としてレアメタルが必要となる。

精密金型は日本が得意としていたが、最近はコスト競争で中国に迫られている状態。そこで、このレアメタルショック。日本の金型業界、さらに、樹脂成型・板金業界は、事業を継続できないような、業界全体への回復不可能なダメージを負っている。 

超円安のおかげで、かろうじて国際競争力を維持できているという面もあるが、逆に、直接・間接的な物資の高価格化によって生活におおきなダメージを与えている。株価の高騰は国内企業が外資に買い叩かれていることの裏返しだ。

 

これらはアクシデントではなく、意図的または対応の誤りに起因する人災だ。

 

 


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